最近、列車内や街を歩いていると、腕時計を手首にはめていない人が多いことに気づく。生活必需品のひとつなのに、"なぜしないのか?"と気になっていた。
■携帯電話さえあればいい
腕時計を使わない理由は単純だった。携帯電話さえあれば、腕時計は必要ないからだ。2000年代中盤あたりから、携帯電話の時計機能が充実し、腕時計よりも正確に時を刻んでいた(一部の腕時計は電波式)。電波時計なみの正確さは、「117」で時刻補正する必要もない。近年は機種も料金も高額のスマートフォンが普及したので、新しい腕時計を購入する予算もない人が多いと思う。
しかし、携帯電話の腕時計代用には、課題などもある。
1.航空機内は電子機器使用の制約があり、電源を切らなければならないこと。航空機は時間通りに航行する保証はない。
2.電池切れや、ドコモショップなどで、携帯電話の充電を依頼した場合、現在時刻がわからなくなる。ただし、要領のいい人は、2個以上所持しているので、特に支障はない。
3.関東地方を中心に、「優先席では携帯電話の電源OFF」と案内する鉄道事業者などが多い。しかし、関西地方では「混雑時は電源OFF」に変更したので、優先席(「優先座席」と称する鉄道事業者が多い)でも、携帯サイトのアクセスやメール交換ができる。
4.仕事中に携帯電話で時刻確認すると、周囲から"サボリ"と勘違いされやすい。
■いざというとき、腕時計とテレホンカードは必要
腕時計も電池が切れると、役に立たない。しかし、"電池の持ち"については、腕時計がはかるかに上だ。特に災害発生時の場合、携帯電話の多くは多機能なので、通話、メール、インターネットなど、電池の消耗が早まる恐れもある。
災害などで役立つものとして、ほかにテレホンカードもある。携帯電話の普及により、カード式公衆電話の数も減少しているが、相手の声が聞き取りやすいし、携帯電話の月額料金(定額制を除く)や電池の心配もない。しかし、公衆電話とともに、テレホンカード券売機も少なくなってしまった。近い将来、交通系ICカード対応の公衆電話を開発してくれるとありがたい(テレホンカードは「度数」、交通系ICカードは「円」なので、両方の表示に対応できるのかがカギとなる)。