画像:Japan In-depthチャンネル「今後の身の処し方、話します!若狭勝衆議院議員」より©Japan In-depth編集部
安倍:私実は日本新党の時、細川さん(元総理)と一緒にいる小池さん、93年くらいですかね。昔から存じ上げているんですけど全然変わらないなという感じですね。ところで、除名の問題、党紀委員会どうなっているのですか?
若狭:まだかかってないと思いますし、明日ですね、東京都連の方で会議があって、たぶん私の都連として処分を私に対してどうするかっていうのが話し合われると思うのですが、私本来は都連所属なんですが、まったく呼ばれてないんですよね。当事者っていうのがあって呼ばれていないのか。
安倍:呼ばれてないっておかしくないですか?
若狭:当事者だから、除名の対象の当事者だから、利害関係があるから呼ばれていないのか、あるいはHP上もうすでに、亡き者にされてしまったので。呼ぶ必要がないってことで呼ばないのか、その辺定かではない。
Aya:そこで決めるんですよね。
安倍:欠席裁判みたいじゃないですか。
若狭:まぁ少なくとも、弁解の機会を与えようっていうのが、不利益処分をするときには弁解の機会を、聴聞機会とか、そういうのを与えようっていうのが、まぁ一つの憲法にはあるんですよ。
安倍:いろいろおっしゃってはないんですか。
若狭:うんだからそういう機会がない。
安倍:まぁ都連の会長もやめるっていわれてますけどね。この顛末まで発表してくださいね。今はネットがあるから、今まで我々都民はそんなこと知る由もなかったんですよ。でも今回インターネットのおかげでいろんなことを知ることができたじゃないですか。内田茂さんの名前も初めて知った人がいっぱいいると思うんですよね。猪瀬さん意趣返しみたいなのもあったんだけど、ネット上で拡散されて、実際大手メディアも(内田都議に)マイクなんて今まで向けたこともないのに。そういう意味ではインターネットの存在ってでかかったですよね。
若狭:やっぱり、今までわからなかった隠れたこととか水面下のものを表に出すというときには、こういうインターネットとか新しいツール、手段が変えていくというのをかなり実感できるという。
安倍:今回の都知事選、インターネットが一つ力があった部分ってあったんだなぁと。僕は2009年にBSフジのプライムニュースっていうのを始める時、(番組に他のメディアが)取材に来てくれるような番組にしたいねって。プライムニュースの放送で、出演者の発言がニュースになったらいいね、と思っていたんです。今では当たり前のように新聞なんかでも「BSフジに出演した誰々は・・・」って記事になってるじゃないですか。おそらく、インターネットもこれからそういう風になっていくと思いますね、誰かがやっていかなきゃいけないなって思うんですよね。
若狭:今回の選挙戦も、インターネットを通じて、要するに、明日はここで演説を行いますというのを告知すると。それによって多くの人が来て頂いた、と。いわゆる組織の場合は動員と言って組織の上の方の人が何人集めて来いと、どこどこに行くように、って言って。
安倍:徴兵制(笑)
若狭:動員をかけるんですけど、そういうことは今回、組織がないので一切なくて、まさしくSNS、インターネットを通じてってことですから。非常に新しい、大きな力が今回はあったと思いますし。ちょっとずれるかもしれませんが、選挙ってよく「為書き」っていうのがあるんですよ、大きなポスターみたいなので。必勝、誰々さん、選挙中の人、本当に壁に、貼れないくらいばーって。あれって結構お金もかかるんですけど。ああいうのって本当に必要なのかなって思っているのがあって。今回の小池候補の事務所には一切、為書きももちろんないし、寄付も全然、受け付けてなかったんですよね。だから私はそこまでやっているとは思わなかったんで、ある人が寄付を持ってきたんですけどって私に言うもんですから、じゃあ選挙事務所に直接持ってってくださいって言ったことがあるんですけど、一切遠慮、ありがとうございますって言って、受け取ってないんですよ。それも普通の選挙事務所だったらお金を持ってきてもらえれば、いろんな形で、違法ではないので、選挙期間中はですね、お金を受け取っても。そういうのがあるんですけど今回はそれもないっていうんで、まぁ新しい選挙のモデルだなっていう感じはちょっとしてましたね。
安倍:私も国政含めて地方の政治というか選挙の現場歩いてきてますけどね動員って一発で分かりますからね。
若狭:そうですね。
安倍:いわゆる予定調和的な。小池さんの時はだんだん人が増えてったってのはある。増田さんも厳しかったんだろうなってのはありますね。
安倍:若狭さんに聞こうと思ってたんですけど、大阪の橋下さんの動きと重ね合わせてみる人もいますよね。
若狭:結論から行くと、重ね合わせてみてるということは私自身はないですね。
安倍:まったく別の現象だと。
若狭:ただまぁ新しい姿っていうか、今までとは違うような形で事を始めるっていう意味では、前例を参考にするとか、そういう意味合いにおいては、色々な情報とかを集めてみております。
安倍:すごく似てません?東京都と大阪市とか府とか。ただ橋下さんも組合であるとか、あの場合は議会というより職員の方でしたけど、その対立を、無駄を排除していくということで喝さいを浴びたわけじゃないですか。
若狭:そうですね、そういう意味においては、今までの枠っていうか、今までのカラーから外に打ち破っていけるという時には、同じような現象面をたどるというのはままあるんじゃないかと。
安倍:基本的に、自民から維新というように、橋下さんが作った当時の地域政党ですよね、そこに鞍替えする人も多かったじゃないですか。東京都ではどうですか、小池新党とかそう単純なものではないと思うんですけど。
若狭:少なくとも東京都議会対策っていうか、知事がやはり今後自分の公約とかスタンス・主張を展開していく上においては、都議会の中に小池知事を理解してくれる人が多ければ多いほどいいわけですから、その意味ではやはり地域政党的なものを作っていく可能性っていうのは少なからずあると思いますし。来年の7月に東京都議選がある、それに合わせて今後もそうしたいろんな動きが出てくるというのはあり得ると思います。
安倍:それまではもたせないといけないですね。
若狭:もとよりですね。
安倍:都政が完全にストップするようなことがないようにですね。
若狭:一つ今は、都連の一部の人が今までずーっと力があった、その力が今後失せていくのか、あるいは変わらないのかというのを様子見している、じっとその推移を見ているというほかの都議会議員とか結構いらっしゃると僕は思うんですね。僕も本に書いていて、特捜部の時の一つの経験として、政治家についていた秘書が、真実を語るときっていうのが、どこかしらでターニングポイントを迎えるんですが、そのターニングポイントっていうのをいつ迎えるかっていうのは、まさしくその、自分のボスである政治家が、今後力が弱まっていくか、あるいは逮捕されたりなんかしてても、ずっとそのまま現状維持で、力がそのまま推移するかどうかっていうのを見極めて、失っていくだろうと思うとそこにターニングポイントが生まれて、すると人が一気に、一人だけじゃなくて、堰を切ったように、わっと話しだすっていうのが実際あるんですよ。
安倍:なるほどね、わかりやすい話ですね。
若狭:ですから、東京都議会の都議の人が、例えば内田さんなんかの力がどうなるか、というのをそっと注視して見守っているんじゃないかと思うんですよね。
仮に内田さんの力が今後弱まっていくというふうにみる都議会員が多いとなると、そういう人たちならば、小池知事と一緒に少しはやっていこうかな、来年7月の都議選を控えてですね、という考え方のもとでだんだん近づいて来るということはあるので。
今の内田さんがどうなるかっていうのは、内田さんひとりの力が今後どうなるかっていうだけではなくて、それに伴って都議会の構成とか力の関係とか、小池知事と都議との関係とか、そういうのが全部関わってくる問題だっていうふうには思ってますけど。
安倍:なるほどね。これはやっぱりちょっと継続してずっとみていかないといけないですね。
Aya:そういうのはやっぱりインターネットの影響は大きいのかなと思いますね。
安倍:公明党はどうなんですかね。今回公明党はけっこう小池支持にまわった票がありましたよね。
若狭:そうですね。結論からいくとおそらく都議会、公明党のみなさんは小池知事の事は理解してくれる人が多くなる、あるいは多いというふうに思っています。
安倍:なるほどね。今後その個別に表でも裏でも、個別に知事側から、都議と胸襟を開いて話して行く、または政策別に、おそらく都議の方でもいろんな問題に取り組んでらっしゃる、まじめに都政に取り組んでる方っていっぱいいると思うんです。みんながみんなヨコシマな事を考えている訳ではないと思うんですよ。都民に選ばれて議員になって、みんな志ある訳だから、そこはやっぱりきちんと話し合ってっていうようなことはあるんでしょうね。
若狭:そこは、むしろやってくと思いますね。なにも別にそう勢力を拡大するとか、自分のところに取り込むとかそういう薄っぺらい話じゃなくて。やはり都知事っていうのは、本当に理解してくれる人が、都議が、党を超えて支持してくれる人がいれば、すごいスムーズに都政が運営ができるのは間違いないので。そういう意味では、人となりってのは、小池知事についてですね、都議の人がみんな知っているかというと、国会議員はある程度知っていて嫌だとか嫌いだとか言ってますけどね、人となりを本当に知ってもらう為には、都議の人と直接フェースツーフェースで、面と向かって話したりなんかする時間を多く持てば、理解が深まると思うんですよね。それは一つの最初の入り口だと思うんですけれども。そういうことはしてったほうがいいかと私も思います。
安倍:小池都知事に取り組んでもらいたいものってどんなものがあるんですか。東京ってやっぱり日本の縮図ですよね。他の自治体でも同じ様なことがいろいろあるわけで。やはり議会との関係性が悪くなるとにっちもさっちも行かなくなるっていうのはよくあるんですよね。
ここで、新知事に取り組んでもらいたい課題を聞いてみましょう。
今度五輪は丸川さんですからね、丸川さんとはどうなるんだろうという。元テレ朝のアナウンサー、キャスター同士。
利権追及、オリパラ、待機児童、地震対策、その他。どれにみなさん興味があるでしょうか。オリパラの何かっていうと、金がかかりすぎているということなんですけどね。待機児童もやっぱり女性にとっては深刻な問題ですしね。やっぱり(視聴者アンケートの結果は)利権追及が多いですね。
東京都は地震対策がやはり大事ですよね。直下型がね。猪瀬さんは実はけっこう熱心に取り組んでいて。地中に埋めているガス管かなんかを地震に強いものに変えるとかね。一生懸命取り組んでいらっしゃいましたよね。そういうのは継続してやってほしいなと思います。
いろいろ聞いてきましたが、まだ始まったばかりだから分からない事もいっぱいあるけれども、まずは議会の出方がやっぱり焦点にはなってきますね。なんだかんだいっても。
若狭:そうですね。やはり議会が、どう出て来ようともやはり利権追及とかいうのは当然のごとくきちんとやっていかなければならないというのは間違いないことでして。議会の顔色を伺って、利権追及というのが緩むと、本も子もなくなってしまう、という事は言えると思います。
安倍:猪瀬さんが、「僕も色々アドバイスするよ」とかおっしゃってますね。猪瀬さん戻せとかいろいろそんな声もありますが、彼は戻れるんですか立場的に。
若狭:公民権が停止されているので、選挙運動とか、被選挙権はないですが、普通のそういう立場にたつこと自体は大丈夫ですかね。
安倍:じゃあ例えば副知事になったりとかすることは可能なんですか。
若狭:今執行猶予期間中ですよね。執行猶予期間中なので、おそらくこれは政治資金公職選挙法違反でしたよね。罰金刑で。何の法律で処罰されているかによって若干違ってくることはありますけれども。
安倍:なるほどね。いろいろ小池さんにアドバイスできるよなどのアピールはありますけどもね。
若狭:実際にいろいろと体験して、内田さんとの関係とかいうのは一番分かっていることは間違いないと思うので。そういうことからすると、いろいろなサジェスチョンとか、教えてもらう事は少なからずあるというふうには思います。
安倍:なるほどね。それは別に問題ないですもんね。まあ一番本人が、いわゆる煮え湯を飲まされたわけですからね。言ってみればね。
先程もおっしゃった国会でのテロ対策。テロの問題はきちんとやってかなければならない。日本だけが、東京都はテロとは無縁だなんてことは絶対思っちゃいけないと思いますし。ソフトターゲットだし。まぁサリンの攻撃ね。私は、あのサリンの現場にいましたので。たまたま神谷町にいたっていう。まだその時はサリンだってわからなくて。なにかわからないけど人が倒れてますっていう状況だったんですね。だけどその時いた記者がわたししかいなかったので。
今、若狭さんが取り組んでいらっしゃるテロ対策の問題については今後また具体的に、どういうふうなのかってのを教えて頂きたいんですね。
ところで、調査チームはどういうメンツになるんでしょうか。
若狭:2つのチームが有ると思うんですが。
安倍:情報公開とオリパラ。
若狭:その人選については今進めていまして。
安倍:やっぱり法曹関係者ですね。
若狭:そうですね。公認会計士、法律家とか、あるいはそのほかの分野の人とか。かなり実践的な。本当に、仕事が当然ながらしっかりと責任をもってやって頂ける人を今選んでいるところだと思います。
安倍:これ全員外部ですか。
若狭:とりあえずですね、事務系なんかは中にいる人ですけど。それ以外の実際に検討したりする人は外部の人をお願いすることになろうかとは思います。
安倍:それは都が雇うんですか。それとも、どういう形になるんですか。
若狭:要するに今顧問にするのか、参与にするのか、特別顧問にするのかとか、党特別参与にするのかとかそういうような枠組みを考えながら人選を考えて行くという。そういう段階ですが、いずれにしても時間はそんなに残されていないというか限られているので、スピーディーに人選を決めて、実際に動き出す必要が大いにあるというふうに思ってますけど。
安倍:都がその人たちを雇用するんですか。どういう形になるんですかね。
若狭:その特別顧問とか特別参与とかいうんで、それは今、例えば、ひとつの一日来てもらったら、日当みたいな形で。それで払うとか。今迄の参与とかいうのは固定給で月33万とかで東京都がやってた感があるんですけど。それがやっぱり税金の適正な執行ということで、それでいいのかどうか。要するに費用対効果でいいのかどうか。そういうところを含めて、そういう報酬体系ではなく実際にタイムチャージとかですね、時間に応じて、とかいう形の方が、やはりあるべき姿なんじゃないかとかいうんで、今どういうふうな形の報酬体系にするかっていうのも合わせて検討はしています。
安倍:なるほどね。あとは情報の発信の仕方とかも色々考えていかなきゃいけないですよね。
若狭:これまでに比較すれば、もう段違いで情報公開はしていくということは間違いないですね。
安倍:やはりネットのメディアなんかもうまく活用していきたいみたいなことはあるんですか。
若狭:そうですね。やはりネットっていうのは今回の選挙戦でも力になったので。そういう意味では、今までとは違う形で展開ができなければいけないし、していくとは思います。
安倍:なるほど。わかりました。まだまだ聞きたい事はありますが、まだ選挙は終わったばかりですのでこれからというところもあるので。また是非番組にきて視聴者の皆様に教えて下さい。今日は、若狭さん、どうもありがとうございました。
編集長後記)
若狭氏の身の処し方は、都議会の出方次第のところもある。若狭氏の副知事就任を議会が通さないとなると、利権追及されると都合が悪い議員がいるのか、と都民に疑われてしまう。議会も難しい判断を迫られる。一方で、小池都知事としてもいきなり議会と対決姿勢を鮮明にすると、今後の議会運営が立ち行かなくなるリスクが生じる。それも痛しかゆしだろう。
いずれにしても小池氏を新都知事に選んだ都民の期待は、都政の透明化であり、利権の追求であることは間違いない。その手を緩めるようなことがあってはならないだろう。まずは、小池知事が設立する「都政改革本部」の下の「情報公開調査チーム」と「五輪調査チーム」のメンバーはどうなるかを注視したい。
また、今後の都政について、既存メディアが詳細に報じることは考えにくい。ウェブメディアが中心となって、都民に知事 VS 議会の最新情報を報じていくべきだろう。都政の停滞を招かないように、都民も監視の目を注ぎ続けることが必要だ。
(その1の続き。この記事はJapan In-depthチャンネル 2016年8月3日放送 の内容を文字起こししたものです。全2回)