企業内の人材を活かすも殺すも、人次第。
人材を活かす上で、職場の環境や制度は重要ですが、リーダーシップやマネジメントが果たす役割は非常に大きいものです。
リーダーシップというと、強い言葉で指揮・命令をする牽引型リーダーシップをイメージしがち。
目標に向かって邁進する部下や仲間を支援するリーダーシップ、サーバントリーダーシップが、いま注目されています。
サーバントリーダーシップについて、ミドルの転職の会員(1380名から回答)に伺いました。
モテない「俺について来いタイプ」のマネジメント
Q:サーバントリーダーと牽引型リーダーのどちらと一緒に働きたいと思いますか?
牽引型リーダーの上司と、サーバントリーダーの上司。
どちらと一緒に働きたいかを伺ったところ、およそ8割の方が「サーバントリーダーと一緒に働きたい」という結果に。
「黙って俺について来い」的な牽引型リーダーシップは、今や時代遅れなマネジメント手法と言えそうです。
経営環境のグローバル化、企業のダイバーシティが進む中、個人の価値観も多様化。一方的な支配的マネジメントは、組織や部下からも求められないものになっています。
変化の早い現代においては、現場のメンバーが持つ能力と情報をフルに発揮できる環境をつくることができるリーダーがこれからの時代には特に必要とされることになると思う。(34歳 男性)
日本企業では牽引型と言っても、何とかしろ型がほとんどでしょう。管理者とは組織が円滑に回るように尽力する人のことです。(41歳 男性)
サーバントリーダーの考え方は古く、1970年代にアメリカで提唱され、その存在は企業にとってもメリットの大きいものであると言われています。
企業にとってもメリットの大きいサーバントリーダー
Q:サーバントリーダーがいる企業・組織のメリットは何だと思いますか?
サーバントリーダーがいることによる企業・組織メリットは以下のようになりました。
1位:メンバーが活躍しやすい環境ができる
2位:メンバーが自主自律した動きをするようになる
3位:従業員満足と顧客満足の両方を向上させられる
経営がグローバル化し、スピード感のある判断が求められる現在。経営トップのビジョンと現場が直面するビジネスを直結し、多様化する人材をマネジメントするミドルマネージャーの必要性が高まっています。
サーバントリーダーシップとは、一方通行ではない、対話型の双方向のリーダーシップです。
現場の力を最大限引き出すための、その力がまさに求められています。
サーバントリーダーに向いているのはどんな人?
Q:サーバントリーダーに向いている人の資質は何だと思いますか?
では、どういった人がサーバントリーダーに向いているのでしょうか。最も重要な資質は「相手の立場に立って相手を受け入れる理解・共感力」という結果。
その他の回答も、「一人ひとりにあった成長促進」「傾聴力」「癒やしの力」など、メンバーの様々な状況を加味し、1対1のコミュニケーションを元に、多様な判断ができるリーダーが求められていると言えそうです。
メンバーも、サーバントリーダーのサポートを頼りに、自らが主体的に動いていく。リーダーからの命令を待つだけでなく、主体的に変革を起こして行くことが、メンバー各自に求められています。
従来型での企業の成長が限界を迎えている業界があることは、既に未来の一部が起きていると考えます。それを感じている人は、この変化の時代に変わる必要を感じているはずです。またネット時代になってからコミュニケーションの質が変わり、明らかに人の資質に変化が起きています。今までのやり方で成長できる保証はありえません。(48歳 男性)
経営トップの掲げるビジョン、これを現場に的確に伝え、現場の意見にもきちんと耳を傾ける。リーダーは現場の意見を経営トップにきちんと伝える。
サーバントリーダーシップは決して弱腰のリーダーシップではなく、心の強さが試されるスタイルです。
ご自身のリーダーシップ、マネジメントスタイルを考えるきっかけにしてはいかがでしょうか。
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