ソニー、JR品川駅でウォークマン35周年記念展示。初代含む歴代27機種が一同に

ソニーが東京のJR品川駅中央改札内部のショーケースに、「ウォークマン35周年記念」として歴代の代表モデル27機種を展示しています。35周年記念であると同時に、新フラッグシップモデルとなるウォークマンZX2発売に合わせた企画です。

ソニーが東京のJR品川駅中央改札内部のショーケースに、「ウォークマン35周年記念」として歴代の代表モデル27機種を展示しています。35周年記念であると同時に、新フラッグシップモデルとなるウォークマンZX2発売に合わせた企画です。

しかし注目はその内容。なんと初代モデル「TPS-L2」にはじまり、大ヒットした2号機「WM-2」やウォークマンDD、ディスクマン(CDウォークマン)、MDウォークマンを経由し、ZX1、ZX2まで35年を代表するモデルを一同に会しています。特にカセット時代から使ってきたユーザーは感慨深いであろう展示です。

スライドショーには全モデルの写真を掲載していますので、ぜひご覧ください。

さてここからは、代表的なモデルを紹介しましょう。まずは1979年の第一号機、TPS-L2。メディアはもちろんカセットテープ。初期ロットのモデルはウォークマンという名称と同時平行で開発されたため、本体下部の「WALKMAN」ロゴはありませんでした。これはロゴがあるため、比較的後期のロットです。

なお、本体天面で目立つボタンは「ホットライン」機能。これを押している間、本体に内蔵されたマイクから外の音を聞けるため、ヘッドホンを外さずとも会話が可能でした。またヘッドホン端子は2つ装備されているなど、現在では逆にユニークになった機能もあります。

続いては、初代機からの小型化などで、初代を超える大ヒットとなったWM-2。ウォークマンのブランド力向上に大きな役割を果たしました。2代目という立場から(?)、昨今では初代機より見る機会が少なくなりつつあるモデルでもあります。

WM-2から音揺れに対する耐性を向上したのが「ウォークマンDD」ことWM-DD。カセットテープはアナログ記録のため、機械を揺すると音にも影響して揺れるという弱点がありましたが、モーターとテープ駆動軸(キャプスタン)の間にディスクを介して駆動するディスクドライブ(DD)によって低減したモデルです。

WM-20。1983年に発売され、非使用時にはカセットテープのケースとほぼ同じサイズを実現したモデルです。といっても使用時にはテープ収納部をスライドさせて高さが大きくなるという、いささか飛び道具的なシステムですが、使用時でもライバル機種より小さい点などからヒットしました。

WM-101。実はこれ以前のモデルは基本的に乾電池を使っていましたが、本機は専用の充電池(ガム型充電池と呼ばれました)を使うことで小型化。飛び道具的メカを使わなくてもカセットケースサイズを実現しました。

WM-701C。1988年に発売された高音質モデルで、ヘッドホンの途中にリモコンを搭載して操作性もアップ。カセット版では軽量な150gでした。チューナー付きモデル「WM-F701C」がジョジョの奇妙な冒険第2部ラストで出てくることでも一部マニアに知られています。

一気に飛んで1999年のWM-WE01。それまでにもワイアレス化を目指したモデルはありましたが、リモコンとヘッドホンの両方をワイアレスにした初のモデルです。またヘッドホンは耳栓型、いわゆるカナル型の先駆けとなった形状でした。

続いてはCD版。1984年に登場し、ポータブルCDの1号機となったのがディスクマン「D-50」。CDウォークマンという名称は、まだ本体がウォークマンを名乗るには大きかったなどの理由から、後のモデルから付けられました。当時CDプレーヤー自体安価なモデルでも8~9万円だったところ4万9800円と安価だったこともあり(ソニー社史では原価率200%との記述もあります)、据え置きモデルとしてもヒットしました。

D-777。1995年に登場した機種で、音を鳴らす前にCDから読み取ったデジタルデータをメモリにバッファし、音飛びに備えるESP機能が特徴。ポータブルCDプレーヤーは振動に弱いという当時の常識を変えたモデルです。

D-E01。1999年に登場したCDウォークマン15周年モデル。音質だけでなく、光学ドライブ付きMacbook Proのようなスライドインローディング機能を搭載するなど、ガジェットとしての存在感に優れたモデルです。

ここからはMD(ミニディスク)版。まずはMZ-1。1992年に登場した、録音対応MDの1号機です。最初のモデルらしく、MDの持つ編集機能を活かすべく多機能ですが、本体はそれなりに大柄でした。

MZ-E30。MDはデジタルメディアらしく急激な小型化が進みましたが、1996年のこのモデルで速くもジャケットサイズが達成されています。

現行の(ファイルベース)モデルの代表が、2011年のNW-Z1000。ウォークマンZの初代として、ZX1/2へ続くモデルです。

そしてショーケース中央に、シルエット的に置かれているのが現行モデルのNW-A16とNW-ZX1、NW-ZX2。キャッチで書かれているように、ハイレゾ音源対応モデルの代表です。

なお、これら現行モデルに関しては本誌でもレポートしています。以下の記事を参照ください。

さて、このショーケースはもともとソニーの展示が行なわれることが多い場所ですが、いまとなっては貴重な古いモデルが、展示会以外で見られるという事態はかなりレア。とくにカセット時代のウォークマンは展示数が多いため、当時のユーザーにとっては非常に見所があります。また、ガジェット好きやソニー好きにとっても、必見の価値がある展示と呼べそうです。

ソニー広報に尋ねたところ、展示期間は2月中旬~下旬程度までを予定しているという回答でした。品川駅に立ち寄る方はぜひご覧になってはいかがでしょうか。

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