フランス南東部に位置するグルノーブル市が、ショートストーリーを印字するプリンター「短篇ディスペンサー」を市内8ヶ所に設置しました。無料でスーパーのレシートのような紙にごく短い短篇を印刷し、メールやSNS以外の待ち時間の過ごしかたを提供します。
ディスペンサーは市役所、旅行代理店、図書館、公会堂といった人が集まる場所に設置され、待ち時間の退屈さを軽減します。幅8cmの紙に印刷される短篇は読み切るまでの時間によって1分、3分、5分の3種類が提供されるため、市民は自分にあった長さのものを選んで楽しむことができます。
料金は無料で、印刷される短篇作品は地元のスタートアップ「Short Edition」が小説関連コミュニティから提供を受けて賄います。Short Edition は「ちょっとした待ち時間にメールや SNS に書き込みをするよりも、短い話を読んで楽しんで貰いたい」としています。また、この短篇ディスペンサーのアイデアは飲み物やチョコレートバーの自動販売機の前で思いついたとのこと。
ひとつ気になるのは、短篇を印刷される紙が結構な長さになりそうなこと。Short Edition は、たとえば3分ものの場合で紙の長さは60cm前後、5分ものなら1m以上の長さになるとしています。
たとえ5分で読み切れるとしても、目の前で1mを超える紙を吐き出されたとき「さあ読むぞ!」とモチベーションがわくのかどうかが気になります。何も知らずに5分ものを印刷したときに、その紙の長さに驚いてそのままゴミ箱行きにされたりしないようなもうひと工夫があっても良いかもしれません。
【関連記事】
(2015年10月26日 Engadget日本版「古くて新しい「暇つぶし」自販機が登場。ちょっとした待ち時間用「短篇ディスペンサー」を仏グルノーブル市内8箇所に設置。」より転載)