任天堂は携帯ゲーム機「ニンテンドー2DS」を2016年2月27日に発売することを明らかにしました。2DSは3D表示機能などを省き、コストを安く抑えたニンテンドー3DSの廉価版。ゲームボーイ版の初代「ポケットモンスター」ソフトが同梱された限定パック4種類が、定価9980円(税込)で販売されます。
実はこの2DS、海外で発売されたのは2013年10月のこと。当時は3DSが高価だった諸国向けという位置づけでした。視点を変えれば、今回は2年以上も遅れての、いささか唐突感もある国内発売ということになります。
2DSは3DSから裸眼立体視機能と折り畳み機構をなくした一体型ボディで、ステレオをモノラルにした製品です。 機能こそ削減されていますが、旧3DSで動くソフトはすべて動作します。
またスクリーンは、見かけこそ上下二画面となっていますが、実は大きな液晶が1枚入っていて、その間をプラスティックでマスクして分割しているだけの構造。上画面もタッチ操作に対応しているはずですが、厚いカバーで覆われており、使用できないようにしているという、技術的な観点からは面白い構造となっています。
廉価版的な位置づけということもあり、 海外で発売された当時は、ユーザーの間でも賛否両論に分かれました。3DSから立体視を削除するのは退化だ、折りたたみできないとカバンやポケットに気軽に放り込むないなどなど。
もっとも、米任天堂のレジー・フィサメィ社長によれば、3D機能を削ったのは幼児に悪影響を与える恐れがあるからとのことで、低年齢層に市場を広げる意図もあったようです。
ちなみに似たような事例では、1990年代初頭に、セガがメガドライブ用VRヘッドセット「セガVR」を発売中止にしています。ただしこちらは昨今でも問いただされる幼児への悪影響以前に、当時の家庭用コンソールでは3D処理は荷が重すぎたからかもしれません。
今回日本で発売される限定パックは、1996〜1998年にかけて発売された初代「ポケットモンスター 赤・青・緑・ピカチュウ」が付属する4種類。海外版が子供を視野に入れたのに対して、こちらは元・子供を狙い撃ちした仕様です。それぞれ各カラーの2DS本体に、バーチャルコンソール版(今年11月に発売済み)ポケモンソフトが入った4GBのSDHCなどが同梱されています。
任天堂ハードの経歴から見ると、縦長ボディという点では3DSよりも初代ゲームボーイに近い2DSを、ゲームボーイカラーのような半透明のスケルトンボディにするのは潔い感さえあります。海外版をすでに買った人達にとっては最大のメリットだった「海外の怪しいソフトが遊べる」(3DSソフトには地域別のリージョン制限があります)点こそありませんが、ソフト込みで1万円を切る低価格でもあり、ゲームボーイとポケモンに思い出がある世代には見逃せないアイテムになりそうです。
取り扱いはポケモンセンター、イオン、トイザらス、TSUTAYA限定。予約は12月26日から受付となります。
(2015年12月25日「engadget日本版」より転載)
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