シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。
シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。
オリンピックでは、男子と女子は分かれて競います。男子の方が体格もよくスポーツには有利なので、女子と同じでは不公平だからです。
その選手が男子か女子かは、見た目やパスポートで一目瞭然なので、普段わざわざ調べることはありませんが、過去には当てはまらないケースもありました。見た目も「女性的」、そしてパスポートを見ても「女性」と書かれていますが、諸条件から必ずしもそう断言できない、という事例です。
南アフリカのキャスター・セメンヤ選手が、2009年の世界陸上で行われた「女子800メートル」で、2位以下の選手を引き離し圧倒的な強さで優勝しました。と同時に、彼女に「男性ではないか」という疑惑が浮上したのです。
彼女は、子宮と卵巣がなく、かつ精巣が体内にある「アンドロゲン不応症」という疾患などを疑われて検査を受けました(結果は非公表)。弁護士を交えた協議を経て、彼女は女性として試合復帰しましたが、その後は目立った成績を収めていません。
男性と女性を分けて競技をすることは、不公平さをなくす上で重要なことです。しかしそれは、本人が結果を知りたいかどうかも確認しないまま、セックスチェックをすることにもなります。試合に出られない場合、当然本人にはなんらかの告知をしなければなりません。その時、本人は自分の現状を知らされることになります。
一方で、もしセックスチェックを行わなければ、他の女子選手は、強い男性ホルモンをもつ選手を相手に戦わねばならなくなるかもしれません。これはあまりにも不公平です。
ここで皆さんに質問です。男性か女性かをはっきりさせるために、選手のセックスチェックを義務付けることは許されるのでしょうか。
チェックをすれば本人が傷つく可能性もある。一方で、チェックをしなければ不公平が生まれる可能性もあります。皆さんはどう思われますか。
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