『パッチ・アダムス』は心が創り出す人生の質や価値を笑いで届けてくれました。私はそれをスポーツ心理学で届けていきたいと思います――。
私の人生を変えたといっても過言ではない映画が『パッチ・アダムス』です。主演は、ロビン・ウィリアムスです。彼こそ、映画界のパッチ・アダムスだと信じています。すなわち、笑いを通じて、この世のすべての人にQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の存在と価値を届けてくれていたからです。
この指は何本に見える?
目の前にある問題ばかりみるんじゃない
問題ばかり見ていたら解決できんぞ......
指の向こう側にあるものをみるんだ
指の向こうに焦点を合わせるんだ
誰にも見えないものをみろ
誰もが見えないと決めているものをみるんだ
既成概念やくだらない見栄を捨てて
世界を見直せば毎日が発見だ
死は誇りをもって精一杯生きてきた人生の結果です
泣いたり笑ったりした結果です
医者は患者の人生の質を高めることです
生命の奇跡は偉大なる心と体の中にある
心から医者になりたい......
人につくしたい......
共に笑い、共に泣く
何が起きようと絶対逃げません。
これら『パッチ・アダムス』の映画の言葉1つ1つが今でも私の心に響きます。パッチのこの思いを映画で私の心にまで突き刺してくれたのがロビン・ウィリアムスだったのだと思います。心からありがとう、心から感謝! これからも私のできることで、たくさんの方に揺らがず・とらわれずの心の大切さを伝えていきたいと決意を新たにしました。
人生には質があります。時間や行動にも質があるのです。その質こそ、心が創り出しているものだと思います。それを感じずに生きることはさびしい! そんな質や心の存在・価値をパッチやロビン・ウィリアムスは笑いで私たちに届けてくれましたが、私はスポーツを通じてスポーツ心理学で届けていきたいと思います。
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【医師プロフィール】
辻 秀一 スポーツドクター
エミネクロスメディカルクリニック
1961年東京都生まれ。北海道大学医学部卒業後、慶應義塾大学で内科研修を積む。同大スポーツ医学研究センターでスポーツ医学を学び、1986年、QOL向上のための活動実践の場としてエミネクロスメディカルセンター(現:(株)エミネクロス)を設立。1991年NPO法人エミネクロス・スポ-ツワールドを設立、代表理事に就任。2012年一般社団法人カルティベイティブ・スポーツクラブを設立。2013年より日本バスケットボール協会が立ち上げた新リーグNBDLのチーム、東京エクセレンスの代表をつとめる。日本体育協会公認スポーツドクター、日本医師会公認スポーツドクター、日本医師会認定産業医