子供に成功して欲しければ、これだけはするな スタンフォード大の元学部長が語ったこと

子供の成功を願うなら、やってはいけないことがある。スタンフォード大学で学部長を務めたジュリー・リスコット−ヘイムス氏は多くの親が陥りがちな行動について述べた。

もし世の中の親が、自分の幸せに代えてでも欲しいと願うものがあるとすれば、それは我が子が幸せで成功に満ちた人生を送ってくれることだろう。

スタンフォード大学で学部長を務めたジュリー・リスコット−ヘイムス氏は、多くの親が子供の幸せを願う一方で、その人生を台無しにしてしまっているケースがあるという。

アメリカでベストセラーとなった著作「How to Raise an Adult(大人の育て方)」の中でヘイムス氏は、1990年頃から顕著になってきたある現象について説明している。俗に「ヘリコプター・ペアレント」と呼ばれる親たちの出現だ。

ヘイムス氏はロサンゼルス・タイムズのインタビューで、彼女のある経験について語った。

いわゆる「超一流で優秀」な子たちと接していると、日常のことがしっかりとできる学生がどんどん減っているのがわかります。作文能力に優れGPA(成績平均点)のスコアは高いのですが、自分のことができないのです。それは学生が親と1日に何度もテキストメッセージをやり取りするなどして連絡を取り合っているところに現れています。何をするべきか、親が教えてくれるまでわからないのです」

「ある晩、10歳の息子に肉を切ってあげているときに、私が子供に依存することを許してしまっているのに気付きました。成績表では優秀な学生たちが、現実世界では役に立たないことと、子供の育て方との関係性がわかったんです」

ヘイムス氏によれば、この傾向は社会的に高い地位で育った子供により多く当てはまるという。あまり裕福でない家庭の子供たち(統計的にはコミュニティカレッジに通いながら兵役につくか就職する傾向がある)は、その親世代と同じく少なくとも自分のことは自分でできるようだ。

反対に、彼女が学部長として関わる、世界のエリート校の1つと言われている大学に通い、卒業すれば驚くほどの機会に恵まれている学生たちが、現実世界では大人としての行動がまるでできないことがあるという。一体なぜ、このようなことが起こるのだろうか?

「電話」ができない?

ヘイムス氏は自身の娘を例に挙げて、多くの10代後半の子供たちが、ちょっと電話をかけなければいけないという状況になると「麻痺」したように固まってしまうことがある指摘した。成長していく過程で、電話をかける必要に迫られたことがなかったせいだろう。

(ちなみにヘイムス氏の解決策は、娘に電話をかけなければ解決できない仕事を与えるというものだった。「電話で見知らぬ人と話し、質問することは生きていく上で必要ですからね」とヘイムス氏)

親にできることとは何なのだろうか? ヘイムス氏はシカゴ・トリビューン上のスピーチで「子供のやることから私たちを排除する」ことの重要性について述べた。そのためには、以下のいくつかの点に気をつけるべきだという。

「I(私)」と「We(私たち)」の違いを理解する

息子や娘について言及するときに「We(私たち)」という主語を使う親たち(例えば「私たちはサッカーチームに入っているのよ」といった具合)は、子供の人生について過干渉になっているサインだ。

子供の弁護士になってはいけない

もしあなたが子供の学校の先生やコーチなどにいつも抗議しているとしたら、子供のことに時間を使いすぎている。親が子供の代わりに抗議していると、子供は自分の主張を自分でできない子になってしまう。

子供のタスクを奪わない

子供の宿題をやってあげているとしたら、今すぐやめよう。親は子供に宿題をやるためのスキルを教えるだけで、子供からそのスキルを使う機会を奪ってはいけない。

また「おつかいや手伝いを頼むことは、子供の責任感を育てるのに有効な手段です」とヘイムス氏は言う。

最後に、子供に沢山挑戦させ、沢山失敗させてあげよう

「私たち親は、どうしても成長の途中で子供を保護して、失敗や苦痛から守ってあげたいと思ってしまいます。でも過剰な手助けは子供にとって有害です」

「自分自身が何者であるかを知り、人生を作りあげていくためのスキル、意思、性格というものを持たない若者になってしまいます」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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