"ガソリン価格が下落しても電気自動車は支持を集めるか?" 今回はそんなテーマで、排気量が大きなピックアップトラックの人気が高い米国における傾向を探ってみよう。
2,800万台以上の販売実績を持つ中古車販売仲介業のCarlypso社が、2013年1月から2014年12月までの販売データを分析したところによると、米国では今四半期にも、新車販売台数に占める電気自動車(レンジエクステンダー付きも含む)の割合が1%に達する見込みだそうだ。これは、ガソリン価格が下落を続けても、電気自動車から燃費の悪いガソリン車に早速乗り換える人は少ないということを示している。米国における昨年の新車販売台数の内、テスラ「モデルS」や日産「リーフ」、シボレー「ボルト」をはじめとする電気自動車は0.86%を占めていたので、その割合は今も増え続けているようだ。
昨年の米国における電気自動車の販売台数は、テスラを除いても(月間販売台数も米国における販売台数も公表していないため)28%増え、10万台に近い。しかし、55%も急増した2013年に比べれば、伸び率は落ちている。
この伸び率減少は誰もが予想したことではあるが、下がり続けているガソリン価格は、代替燃料車にとっては逆風になるかも知れない。アメリカ自動車協会(AAA)によれば、現在のガソリン平均価格は、1ガロン2.05ドル(約64円/L)であり、1カ月前は2.43ドル(約76円/L)、1年前は3.28ドル(約102円/L)だったことを考えると、かなり安くなっている。一方、米国ではピックアップトラックが依然として新車販売の約52%を占め続けているが、この数字はガソリン価格が下落を始めてもほとんど変わっていない。
つまり、ガソリンが安くなると電気自動車に乗り換える人はやや減るが、かといってすぐに燃費の悪い大排気量のクルマに乗り換える人が多いわけでもない、という傾向が見て取れる。Carlypsoのプレスリリース(英語)もあるので、興味のある方は読んでみよう。
By Danny King
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
【関連記事】
(2015年2月2日 Autoblog japan「米国からレポート:ガソリン価格の下落によって人々のクルマ選びはどう変わる?」より転載)