「ハイパーループ」イーロン・マスクが考案した超高速旅客輸送システムが進行中

イーロン・マスク氏が考案した「ハイパーループ」の実現に向け、開発を進める企業に動きがあったようだ。

スペースX社の共同設立者およびCEOであるイーロン・マスク氏が考案したチューブ型の新たな輸送システム、「ハイパーループ」の実現に向け、開発を進める企業に動きがあったようだ。ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジー(HTT)は、真空ポンプ事業を展開するエリコンライボルト社、エンジニアリング企業のエイコム、建築デザイン会社のホジェッツ&ファンと契約を結んだ。今回締結された契約もこれまでと同様に、プロジェクトのさらなる前進を期待し、HTTが自社のストック・オプションを提携先に提供し、それと引き換えに各社の専門知識や技術提供を受けるというものだ。今のところ、エイコムとホジェッツ&ファンからは具体的な提案は出ていないが、エリコンライボルト社はすでにプロジェクトに向けて始動している。

エリコンライボルト社幹部のカール・ブロックマイヤー氏が米テクノロジー情報誌『Wired』に語った内容によると、700マイル(約1,126km)に及ぶチューブを圧力ゼロの状態に保つことが、どの程度実行可能なのかを調査するため、6人の技術者からなるプロジェクトチームを編成したとのことだ。同氏はこの点については簡単にクリアできると考えているようで、「技術的な観点からいうと、そんなに難しいことではない」と語っている。ブロックマイヤー氏が懸念する最大の問題は、真空ポンプが専用ソーラーパネルや風力タービンから供給される以上のエネルギーを消費しないかという点だ。だがHTTは、現在サンフランシスコとロサンゼルスのほぼ中間地点に建設中の計画都市、カリフォルニア州 Quay Valley(クエイ・バレー)において、実働を視野に入れたテスト路線建設の着工を2016年初旬に計画しており、開発にかけられる時間的猶予があまりないのだ。

また、ハイパーループの進展について調査をしたところ、情報をほとんど公開しないHTTが最近、ロサンゼルスに広さ3万9,000平方フィート(約3,623㎡)の新しい研究施設の建設に着手していることが分かった。これまでずっと秘密裏に計画を進めてきた同社だけに、これは非常に注目すべきことだ。HTTの進捗に関する情報はあまり明らかにされていないが、この他に超高速で貨物を押す貨物運搬システムの研究も行なっているようだ。少なくとも現時点では、似たような名前のライバル社の方に勢いがあるかのようにも見えるが、今後どう展開していくのか続報を期待しよう。

本記事は、Autoblogの姉妹サイト『Engadget』に掲載されたダニエル・クーパー氏の記事です。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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