ハフポストUS版10周年を祝いましょう。そして、次の10年へ。

立ち上げから10年の間に、私たちはどんなことでも「イエス」と言うようにしてきました。リスクを取り、挑戦し、いつも前進してきたのです。
NEW YORK, NY - APRIL 28: Co-founder and editor-in-chief of The Huffington Post Arianna Huffington speaks on stage during the AOL 2015 Newfront on April 28, 2015 in New York City. (Photo by Brian Ach/Getty Images for AOL)
NEW YORK, NY - APRIL 28: Co-founder and editor-in-chief of The Huffington Post Arianna Huffington speaks on stage during the AOL 2015 Newfront on April 28, 2015 in New York City. (Photo by Brian Ach/Getty Images for AOL)
Brian Ach/Getty Images for AOL

2005年5月9日。バラク・オバマ氏は上院議員となって5カ月目でした。ローマ教皇ベネディクト16世は教皇に就任したばかりでした。グウェン・ステファニーの「ホラーバック・ガール」がビルボード・ホット100チャートで1位となり、ブリトニー・スピアーズとケヴィン・フェダーラインが結婚してまもない頃でした。

そしてハフィントンポストというウェブサイトが誕生しました。

5月9日の月曜日の朝、私たちはウェブサイトを立ち上げました。評価は賛否両論でした。長続きしないだろうという批判が多かったことを覚えています。立ち上げて1時間後に、ある女性評論家はハフポストのことを映画「イシュタール」「天国の門」「ジーリ」などと比較していました。どれも最悪の映画と評された作品です。1年後、彼女は私にメールで、サイトでブログを書かせてもらえないかと頼んできました。もちろん私はイエスと言いました。

立ち上げから10年の間に、私たちはどんなことでも「イエス」と言うようにしてきました。リスクを取り、挑戦し、いつも前進してきたのです。これまでに私たちはめざましい変化を遂げました。進化し、革新を起こし、私たちのDNAに忠実であり続けようとしました。私たちのDNAとは、1日目から情報とインスピレーションを与え、楽しませ、力を与えることです。現在私たちは、有名人も無名の人もひっくるめて、興味深いストーリーを持っている人が発信できるグローバルプラットフォームであり、世界中に調査報道の記者を抱える、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリズム企業でもあります。ハフポストには、ヒエラルキーがありません。フロントページには、フランスのフランソワ・オランド大統領のブログ記事が、おもしろいアイデアを持った大学生の投稿記事の次に表示されることもあります。

2005年5月9日のハフィントンポストの立ち上げ時の最初のスローガンは、「2005年5月9日からずっと、ニュースとオピニオンを届け続ける」でした。それから長い時間が経過したため、このスローガンは違った意味になっています。

しかし、私たちはそれ以来、多くのスローガンを掲げてきました。「自己表現は新しいエンターテインメントだ」や「どこにでもあることから、新しく独自のものを作り出す」や「ソーシャルは新しいフロントページだ」などです。あるとき、議論を多く積み重ねた結果、私の同僚ケニー・リーラーの意見で、私たちは自分たちのことを「インターネット新聞」と呼びました。しかし、私たちが単なる「インターネット新聞」であることをやめてから、かなりの時間が経過しています。ただニュースやオピニオンを伝えるだけの存在から、もっと多くのものを提供し、妥協して生きていくのではなく、自分たちが望むように生きる手助けをする存在へと変わっているのです。たとえば、私たちは(文字通り)できるだけ眠るべきだと勧めています。

私たちは10周年記念の機会に多くの思い出話に花を咲かせましたが、私たちが本当に重視しているのは、先を見ることです。ですから、私たちの10周年記念のテーマが「ネクスト10」(次の10年)なのです。この節目を祝うため、私たちはさまざまな特別なプロジェクト、新事業、イベントを発表します。大規模なものに小規模なもの。まじめなものに冗談のようなもの。そのすべてが、私たちのこれまでの歩み、そして私たちが向かう先につながっています。

まず、モバイルサイトのデザイン変更です。「モバイルは未来であり、その未来はいま起きている」という私たちの信念を究極的に反映するものとします。私たちは、訪問者に最高の経験を提供したいのです。モバイル戦略担当者、デザイナー、エンジニアが、パートナー企業のコード・アンド・セオリー社とともに実現に向けて取り組んでいます。私たちは、今年の夏の終わりまでに15の国際版を10の言語で展開することになっており、変更されるデザインではこのすべての国際版での翻訳もサポートします。世界中のすべてのハフポスト読者(訪問者の半分はアメリカ以外から訪問しています)が、私たちが作っているもの、リンクしているもの、世界中で私たちのブロガーがしていることにアクセスすることができるようになるということです。私たちはいつものように、学んだことを基に新たに生まれ変わります。そして、デスクトップとタブレット向けのデザイン変更も行います。

10周年記念の一環として、現時点で最も影響力のある世界の人物のプロフィール記事を掲載します。次の10年でもその名声は増すばかりでしょう。連邦通信委員会(FCC)委員のジェシカ・ローゼンウォーセル、司法省検察官のヴァニタ・グプタ、反汚職アクティビストで元ニューヨーク州知事候補のゼファー・ティーチアウト、社会主義者でシアトル市議会議員のカシャマ・サワント、「クレド・モバイル」政務局長のベッキー・ボンド、「カラー・オブ・チェンジ」執行役員のラシャド・ロビンソン、キャンパスでの性暴力に反対する活動家アニー・クラークとアンドレア・ピノ、気候変動アクティビストのカレン・ダイバー、改革志向の下院議員のアダム・シフなどです。

ハフポストでは、先を行き、認知度を高めて実際にインパクトを与えようと常に考えているため、ファンドレイジングサイト「クラウド・ライズ」と提携し、LGBTの権利やホームレスといったものから、麻薬政策や貧困まで特に重視する10の事案に焦点を合わせます。こちらをクリックすると残りの項目が見られます。そして、共感したプロジェクトへの寄付を検討してください。

また、誕生日祝いとして、2005年5月9日に生まれた10歳の子ども10人の動画を公開します。ハフポストについての考え(ある子は「Facebook上の新聞だ」と言いました)、10歳の何がいいか(「2桁であること」と別の子が言いました)、将来どうなりたいか、愛する人、世界について語る子どものかわいくておもしろい動画を見てください

5月16日土曜日、ワシントンDCで、ハフポスト政治担当統率チームのライアン・グリム、サム・ステイン、アマンダ・ターケルがハフポストのルーツと進化、そしてサムが最近行ったオバマ大統領のインタビューなど、私たちが伝えてきた大きなニュースについて語ります。

私たちは「ネクスト10」で、次の10年をテーマにしたさまざまなシリーズを企画しています。すばらしいブロガーに参加してもらいます。彼らはみな、ハフポストメンバーです。初期の頃から仲間だった人もいます。専門分野で次の10年を期待できる専門家に依頼しています。主なテーマと著者は次の通りです。

「社会格差」ロバート・ライヒ

「グローバル民主主義」コフィー・アナン

「メディア倫理」クレイグ・ニューマーク

「環境問題アクション」ビル・マッキベン

「意味のある働き方」アダム・グラント

「メディア論」グレン・ベック

「有名人雑誌の表紙の未来」ジャニス・ミン

「イノベーションと市民参加」マーク・ベニオフ

「技術的進歩と道徳の維持」ヨルダンのラーニア王妃

「誓いの10年」T・D・ジェイクス牧師

また、ハフポストは動画コンテンツにも力を入れています。2012年8月に始まった「ハフポスト・ライブ」は、すでに視聴回数が22億回を越え、100カ国から2万8000人あまりが出演し、ウェブサイトのアカデミー賞と言われる「ウェビー賞」を3回連続で受賞しました。しかし、すごいのは数字だけではありません。「ハフポスト・ライブ」には、ハフポストらしさを出す秘密の成分があります。それは、遊び心と予測できない面白さ、そして的確な判断力です。こうした要素を放送に組み入れ、2005年には想像もできなかった方法で対談します。そして今では、「ハフポスト・ショー」という、その週のトップニュースを洗練された風刺をきかせて伝える動画を見ることができます。挑発的なコメント、パネルディスカッション、エッジが効いたデジタル動画、エリザベス・ウォーレン上院議員やカリーム・アブドゥル・ジャバーラッセル・クロウティグ・ノタロといったゲストとのインタビューがあります。

私たちは動画コンテンツへの投資を増やし、オリジナル動画の提供を拡大しています。長時間動画シリーズやドキュメンタリーを制作し、ハフポストのコンテンツの50%が動画コンテンツとなる日もそう遠くないでしょう。もう一つの目玉コンテンツとして「ハフポスト10」があります。これは、世界をよりよくする10の人、モノ、アイデアを10人のナレーターが紹介する10本の短編動画シリーズです。「ワッツ・ワーキング」は、世界でポジティブな変化を起こしている人たちをレポートします。私たちは、これまで継続的に取り上げてきた、職場で自分をどのように高めていくかというテーマに基づいた「カルチャーショック」も開始し、企業がオフィスに導入する方法を見ていきます。私たちは素晴らしい時代を生きています。35%以上のアメリカ企業が何らかのストレス軽減プログラムを実施しており、睡眠と瞑想は最終的にパフォーマンス向上の手段とされています。企業は長い目で見た健康の維持を考え、従業員の健康を実際にしっかりと管理しています。

次の10年には「血を見せれば視聴率が取れる」という使い古された手法を超えて、私たちは「ワッツ・ワーキング」のグローバル・イニシアティブでジャーナリズムを再考したいと考えています。もちろん私たちは危機、暴力、悲劇、機能不全、腐敗のニュースを報じ続けますが、イノベーション、創造性、創意あふれるアイデア、思いやりについての話題を大幅に増やしていきます。私たちは、世界で起きていることをすべて読者に伝える義務があると考えているからです。現在は、多くの模倣犯を生み出してしまうメディア報道について議論しています。そして私たちは、模範解答を提示できるジャーナリズムを作り出したいとも考えています。

また、私たちは満を持して「ハフポスト・ハイライン」を発表します。これは、老舗雑誌「ニュー・リパブリック」から4カ月前にハフポストに加わった、レイチェル・モリスとグレッグ・ヴェイスが運営している長文記事プロジェクトです。第1回はトゥレット症候群患者で14歳の天才少女ランナー、アマリス・ティニスマを扱ったダンカン・マレルの記事を紹介します。ハフポスト・ハイラインでは、プロフィール記事やエッセー、長時間のインタビュー、調査報道まで野心的で創造的な長文ストーリーを提供します。そして、6月からは毎週長文記事を1つずつ公開します。

2005年5月9日のスタートからハフポストで仕事をしてくれているみなさんに感謝しています。世界中にいるハフポストグループの850人の編集者、レポーター、エンジニアたちに感謝します。彼らの中には、一度去り、また戻って新しいすばらしいものを作っているメンバーもいます。彼らは、去って戻ってきたブーメランベイビーなのです。そして、世界の10万人近いブロガーたちに感謝します。みなさんが私たちをここまで成長させてくれました。そして特に、私たちがハフポストで書いた記事を読み、見て、共有してくれた読者のみなさんに感謝します。あなたがいたから、私たちはここにいるのです。

さあ、次の10年です。

ハフポストファミリーのメンバーたちからのバースデーメッセージをお楽しみください。

このブログはハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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