ねぶたの色鮮やかなかけら、幻想的なライトに商品化 後継者の育成費に

青森県のねぶた師、竹浪比呂央さん。若手育成支援の資金を集めるため、祭りが終わり廃棄されるねぶたの和紙の再利用に着目した。

竹浪比呂央さん=提供写真

雪の生活から解き放たれた爆発的なエネルギーが、力強く色鮮やかなねぶたに結集する。青森県のねぶた師、竹浪比呂央さん(56)は、その光景に幼い頃から心奪われた。

4歳の時に黄色のクレヨンでねぶたを描いた記憶がある。チラシの裏やお菓子の袋など紙があれば描いた。夏はおろか冬休みの宿題にもねぶたの絵を盛り込んだ。

春になると町の男たちが仕事を終えて、街角でねぶた作りに取り組んだという。夏の祭りが終わってねぶたが壊される時「寂しくて、悲しくて泣いていた。ねぶたに関しては異常なほど好きだった」と竹浪さん。

ねぶたは、幅9メートル、奥行き7メートル、高さ5メートルの紙の造形美。川に流すまでの6日間、刹那的に闇夜に輝く。

「KAKERA」を前に語る竹浪さん=東京都内で、朝日新聞社撮影

夜に効果的に浮かび上がる色の組み合わせは、毎年のねぶた祭りを見て、体に染みこませた。

年に2台作るねぶたは、針金を使った骨組みづくりを始め30~40人が携わる。竹浪さんは、ねぶたを続けていくには、祭りとしてだけではなく、造形としてのねぶたを知ってもらい、若手のねぶた師を育てていきたいと思っている。

青森のねぶた=A-portより

若手育成支援の資金を集めるため、祭りが終わり廃棄されるねぶたの和紙の再利用に着目。3百に分け、ねぶたライトの「KAKERA」として生まれ変わらせた。

ねぶたライト「KAKERA」=A-portより

ねぶたライト「KAKERA」=A-portより

ねぶた師が一人前になるまでは30年かかるといい、「若い人の環境改善につながればと、ねぶたの歴史始まって以来のクラウドファンディングに勇気を持って取り組んでみました」と竹浪さんは話している。

クラウドファンディングサイトA-portで職人支援のための資金を募っている。締め切りまで残り十数日だ。https://a-port.asahi.com/projects/nebuta 特典は3万円でねぶらライトの「KAKERA」など。

A-portのサイト(画像をクリックしてください)

後継者育成のための費用を初めてクラウドファンディングを使って集める竹浪さん=朝日新聞社撮影

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