昨年春に休刊した「輝け甲子園の星」が2月5日(月)に復刊する。40年以上にわたって高校野球の感動を伝えてきた雑誌で、SNSなどでは休刊直後から惜しむ声が数多く上がっていた。読者とともに創る雑誌として再出発しようと、A-portでクラウドファンディングを実施し、支援を募っている。
■43年の歴史を絶やすわけにはいかない−−−−。再び光を放ち始めた『輝け甲子園の星』
球児に寄り添い、その素顔を描いた温かい記事で、読者のみならず多くの球児に愛された『輝け甲子園の星』。1975年に創刊した"甲子園のバイブル"だったが、2017年春、当時発行していた出版社が突如休刊を発表した。SNS上では驚きの声と同時に、休刊を惜しむ声が数多く上がった。そんな様子を目にした一人が、株式会社ミライカナイ代表取締役の津川晋一氏だ。
「ツイッターなどで"ホシファン"から惜しむ声が相次いでいるのを見て、この雑誌を途絶えさせるわけにはいかないと思いました」
津川氏自身も"ホシ"の愛読者で、かつて読んだ"ホシ"の記事が、スポーツ報道を仕事にするきっかけの一つになったという。
「これからの『輝け甲子園の星』は、みんなで作る雑誌にしたいんです。復刊のタイミングから、読者の方々とクラウドファンディングを通じて交流したい。高校野球も100年。時代とか歴史を超えて、読み継がれていく本にしたいと思っています」
■創刊号の表紙、原辰徳氏が復刊号に登場 重松清氏によるコラムの連載もスタート
復刊号では、43年前の創刊号で表紙を飾った原辰徳氏が復刊を祝福して登場。6ページにわたる巻頭インタビューでは「『輝け甲子園の星』というネーミングがクラシカルで非常にいいよね(笑)。特に夏100回という節目に向けてまた復刊したのが、素晴らしいと思いますね」とにこやかに語った。
そして復刊号から新たに、直木賞作家の重松清氏がコラムの連載をスタートする。野球を題材にした著書も多い重松氏もまた、"ホシ"復刊に激励の言葉を惜しまなかった。
「終わらせちゃいけない雑誌だね、絶対に。無くならないでくれて、ありがとう」
■"ホシOB"から集まった祝福の声 世代を超えて早実のWエースもコメント
かつて誌面を彩った"ホシOB"からは、続々と喜びの声が集まった。
今季より日本ハムファイターズの2軍監督を務める荒木大輔氏は、"大ちゃんフィーバー"の早実時代を振り返って目を細めた。
「雑誌に載るのがうれしくて、親に頼んで買ってもらったりしてね。"ホシ"は、なかなか会えない親戚や友だちへの手紙のような役割も果たしてくれていたように思います」
同じく日本ハムの斎藤佑樹選手は、開口一番「うわっ、もしかして"ホシ"の取材ですか!? 懐かしい!」と満面の笑み。「僕たちの青春時代をより輝かしいものにしてくれた特別な雑誌」と復刊を喜んだ。
1980年夏の甲子園に出場している荒木氏から、2016年夏の優勝投手、埼玉西武ライオンズの今井達也選手、準優勝の大西健斗選手(慶大)まで、幅広い世代の"ホシOB"が今回の復刊を祝福している。そんな選手たちの"ホシの思い出"にも注目だ。
■男子と変わらぬ熱い思い 女子野球もクローズアップ
復刊号からは、新コーナー「輝け女子野球の星」がスタート。高校野球は、もはや男子だけのものではない。同じように日々汗を流し、鍛錬を積み、日本一を目指す女子球児にもスポットライトを当て、彼女たちの高校野球も毎号たっぷり掲載する。女子球児の登場により、ほかの高校野球雑誌と一線を画し、一層華やかで読み応えのある誌面となりそうだ。
そのほか、グラウンドで頑張る球児の背中を後押しする応援団や吹奏楽部を主役にした「輝けスタンドの星」も新たに連載開始。復刊を機に、様々な視点から余すところなく高校野球を堪能できる1冊へと進化を遂げている。
「輝け甲子園の星」は春夏の甲子園大会の前後に年4回の発行を予定している。A-portでは3月9日まで支援を受け付けており、2月2日正午現在、86人から87万円を超える支援が集まっている。