今回は日本の給料水準が低すぎるという件について簡単に書きたいと思います。
私の運営しているTouch-Baseというサイトで、世界的に有名な広告エージェンシー、Razorfishにてクリエイティブディレクターをされていた方にインタビューする機会があり、彼はインタビューの中でグローバルマーケットの平均からすると日本の給料水準が低すぎることを指摘していました。
彼は現在日本で生活しており、上記の理由から日本の会社に雇用される道を辞めて、自ら起業する道を選んだそうです。
また、東芝の売却問題で揺れる半導体業界に目を向けると、日本の人材を獲得するために、倍もしくは10倍以上の年収を出す海外企業が存在することが示されています。
下記のテーブルにあるとおり、ここ最近の日本の半導体業界の不調を見れば、海外企業との給料格差が出るのは当然ですが、10倍ともなるとさすがに見逃せないレベルだと感じます。
この話はシニアクラスのポジションだけに限った話ではなく、私のようなミドルクラス (ジュニアとシニアの中間くらい)でも同じ現象が起こっています。
LinkedIn経由で私宛にヘッドハンターからオファーを貰うことがあり、そこで提示される年収額が800 - 1,000万円を超えるものがほとんどで、その業務内容を考慮すると日本ではなかなか考えられない金額です。デザイン、ウェブデベロッパー、そしてマーケティング領域でよく同様の話を聞きます。
また、サービス業でも同じ事が言えます。北米のレストラン・バーではチップを払う事が一般的になっているので、実質レストランのサーバーは日本のサーバーの倍、もしくはそれ以上を貰っています。
もちろん、給与の額は勤め先を決める一つの要素でしかなく、特に我々の世代にとってそこまで重要な要素ではありません。それは研究でも証明されており、私もそれに同意します。
とはいえ、それらは生活の"最低限"が担保されているのが前提だと私は考えます。そして、ライフステージが変わるにつれて、必要な年収額も上がります。年齢に応じて給料が上がっていく年功序列・終身雇用の仕組みに無理が出てきているので、なんとか自力で収入を増やす方法を模索していかなくてはなりません。
そうなった時に、給料水準の高い外資で働く、または海外に移住するのは可能性の一つとしてあります。
今は海外で働くという選択がそこまで一般的ではなく、将来のために海外に行くという選択を取る人はほとんどいません。ただ、東京オリンピックをきっかけに外資との接点が増え、そこが動く可能性があります。
今後、これまで以上に日本の会社が外資の会社と人材の取り合いになったとしたら、優秀な日本の人材が海外に流れるという構図ができるかもしれません。