リニア談合で、大成建設の元常務と鹿島の担当部長を逮捕。東京地検

容疑認めた大林組と清水建設の担当者は在宅で捜査
大成建設などが入る新宿センタービル(左)と鹿島建設本社ビル
大成建設などが入る新宿センタービル(左)と鹿島建設本社ビル
時事通信社

大成元常務と鹿島幹部を逮捕 リニア談合の疑い

 リニア中央新幹線の建設工事で大手ゼネコン4社が談合したとされる事件で、東京地検特捜部は2日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、大成建設元常務の大川孝容疑者(67)と鹿島の担当部長、大沢一郎容疑者(60)を逮捕し、発表した。政府が財政投融資3兆円を投じたリニア工事は、大手ゼネコンの元幹部らが刑事責任を問われる事態に発展した。

 特捜部は大手4社のリニア担当者のうち、任意の調べに容疑を否認した2人のみを逮捕し、談合を認めた大林組と清水建設の担当者は在宅のまま調べる。特捜部が独禁法違反容疑で容疑者を逮捕するのは、2007年の独立行政法人、旧緑資源機構が発注する業務の入札談合事件以来となる。

 関係者によると、大川、大沢の両容疑者は2014~15年ごろ、大林組元副社長、清水建設元専務らと共謀し、駅新設工事について談合することに合意し、自由な価格競争を妨げた疑いが持たれている。

 リニア工事は昨年までに24件が発注され、4社は3~4件ずつ均等に受注。このうち、品川駅の工事では大手4社のうち、15年9月に清水建設の共同企業体(JV)が北工区を、同年10月に大林組JVが南工区をそれぞれ受注していた。

 関係者によると、4社の受注調整は、大川容疑者が他の3社に連絡する方法で進められた。JR東海が発注工事の工区を決めた2014年ごろに工事配分で合意し、大川容疑者と大林組元副社長が中心となって大沢容疑者や清水建設元専務に働きかけていたという。

 これまでの特捜部の任意の調べに、大川容疑者は自社が希望した名古屋駅の工事の受注に失敗したことなどから「談合が成立していたのであれば希望工事を受注できたはずだ」と説明。大沢容疑者も「(鹿島の社内で)工事の受注希望を決める権限はなかった」と供述しているという。一方で、大林組元副社長と清水建設元専務は談合を認め、法人としての両社も独禁法の課徴金減免(リーニエンシー)制度を使い、公正取引委員会に談合を自主申告したという。

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 逮捕を受け、JR東海の広報担当者は「今回、当社の中央新幹線の建設を受注している建設会社の関係者が逮捕されたことは、極めて残念である」とコメントした。

(朝日新聞デジタル 2018年03月02日 15時33分)

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