第11回「朝日杯将棋オープン戦」(朝日新聞社主催)準決勝の対局が2月17日午前、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで始まった。羽生善治竜王(47)と藤井聡太五段(15)の公式戦初対局となる。
午前10時30分、記録係が対局開始を告げると、藤井五段はゆったりペットボトルに入った飲み物を手に取った。会場で朝日新聞が提供している解説によると「手作りのミルクコーヒー」だという。
将棋界のトップランナーとの対局でも、若き天才の表情はとても落ち着いていた。
だが、グッと飲み物を口に含んだ瞬間、藤井五段の目はジロリと前を真っ直ぐに見つめた。その顔は、まさしく勝負師のものだった。
対局は先手・藤井五段の「▲2六歩」ではじまった
これに対し、羽生竜王は「△8四歩」と応じた。ここに2人の公式戦初対局がはじまった。
■藤井五段、優勝すれば史上最年少での「棋戦優勝」に
羽生竜王は過去10回の朝日杯のうち優勝5回を誇る。一方の藤井五段は、準々決勝で佐藤天彦名人(30)を破る大金星を挙げ、準決勝進出を果たした。
藤井五段が今回の朝日杯で優勝すれば、史上最年少(15歳6カ月)での「棋戦優勝」と六段昇段を果たすことになる。
前人未到の「永世七冠」を達成した最強棋士に、藤井五段はどう立ち向かうのか。会場に詰めかけた約600人のファンが固唾を飲んで見守っている。
この日、有楽町朝日ホールの別会場では久保利明王将(42)と広瀬章人八段(31)も準決勝で対局。こちらは名人への挑戦権を争うトップランクの「A級棋士」同士の戦いだ。
【UPDATE】(2018/02/17 13:20)
第11回「朝日杯将棋オープン戦」の準決勝は、藤井聡太五段と広瀬章人八段が勝利。両者が午後の決勝に臨む。