貴乃花親方(45=元横綱)が2月7日、この日放送分のテレビ朝日系「独占緊急特報!!貴乃花親方すべてを語る」に出演した。
親方は、弟子の十両・貴ノ岩の傷害事件や理事選落選後の心境について、これまで沈黙してきた内容を語った。
■理事長選「蚊帳の外でしたから」
番組冒頭、インタビュアーの山本氏に、「親方、(理事長選に)負けましたね」と聞かれ、親方は「はい、見事に。気持ちはすっきりしています。引退会見の時にすがすがしいと言ったことを思い出している気持ちです」と今の思いを語った。
獲得したのが2票で最下位だったことについては、「普通にみて、蚊帳の外でしたから。組織としたら」と冷静に語り、「もし出ていなかったら10人で(無投票で)収まっていたことだと思う。1票でも行くということを体現しただけ」などとふり返った。
■貴ノ岩の傷害事件「警察にお願いしてよかった」
貴ノ岩の怪我を「右側頭骨骨折」と断定する診断書も紹介された。親方は「耳鳴り、頭痛があって気持ち悪い。横になっているのが精一杯という状態」と事件直後の貴ノ岩の症状を語った。
被害届を出した後も協会に報告しなかった理由については、警察に「協会への連絡をどうしますか?」と聞かれ、警察から協会へ連絡してもらうようお願いしたことを明かした。
親方は「協会は、警察的に機能する国家的な組織ではございません」と指摘。「今となっては、公的機関で捜査権がある警察にお願いしてもよかった。私は正しかったと思います」と言い切った。
■貴ノ岩が暴行を話せなかった理由
貴ノ岩が元横綱・日馬富士から暴行を受けたことを話せなかった理由について、親方は「暴行事件に同席していた高校時代の恩師に迷惑をかけたくなかったからだ」と説明した。
「一人で海を渡ってきて日本で相撲に打ち込むことで一つ苦労している。両親は高校生に来た時に亡くなられていますので、そんなところから母校の皆さんに大変お世話になっている。言えなくて当然ですね。私も逆の立場だったとしても、師匠にいくら問いただされても言えなかったと思う」と弟子の思いを代弁した。
■被害届の取り下げを打診されていた
また、九州場所中に八角理事長や鏡山親方らから被害届の取り下げを打診されたことを、「そうですね。はい。そういうことですね」と認めた。
それでも被害届を取り下げなかった理由は、「私はあくまでも傷を負った本人の手当て、協会としてもそれ(貴ノ岩の手当ての協力)をしてもらいたかった」と説明した。
「とにかく調査委員に協力うんぬんというより、この傷がどういう傷なのか、ご理解いただきたかった。そのためには捜査をしていただく、被害届けを下ろすとか、下ろさないではなかった。会話はしたくなかった。私は(貴ノ岩が)深い傷を負ってます、とくり返し伝えました」と話した。
■日本相撲協会と対決姿勢「気持ちは戦います」
理事候補選に敗れた親方。1月初旬に協会が下した理事解任処分について聞かれると、「"降格処分"というのも個人的に認めるべきではない。認めていない」と発言した。
山本氏に「協会に対して戦いを挑みますか?」と問われると、「気持ちは戦います」と八角理事長(元横綱北勝海)への対決姿勢をみせた。
■"相撲道"を聞かれて...
「相撲道」について聞かれた親方は、「人のために生きること」など自身の考える"相撲の所作"を語った。
人のために生きること
次の世代につなぐこと
心を形で残していくこと
それが"相撲の所作"だと思います。