タレントの香取慎吾さんが3日、自身のTwitterで「歩きスマホ」の危険な様子を報告していた。
東京消防庁のまとめによると、実際、「歩きスマホ」が原因の事故による救急搬送は、東京都内でも年々増えている。(下グラフ)
事故に遭うのは、20-40代が目立つ。
多くの事故が道路や駅などの交通施設で起きている。
■「歩きスマホ」は視野にどう影響?
歩きスマホのどんな状態が、事故を誘発するのか。
名古屋市の繁華街にある交差点で、スマホを使わない状態で歩いた場合、スマホで通話しながら歩いた場合、スマホでTwitterを読んだり書き込んだりしながら歩いた場合ーーの3パターンで視線の動きを測った。
スマホがない状態だと、左右や前方の人や自動車、自転車などに幅広く視線を送り、無意識ながら安全を確認していた。
通話いている状態の場合、視野は前方よりに狭くなり、かつビルなどに視線がとどまる「上の空」状態が見られたという。
スマホでTwitterをしながら歩行をしている間、視線は画面に集中して釘付け状態となり、数度前方をチラッと見る程度で左右には全く視線が移動していなかったという。また、視野に入ってくる風景もスマホとその奥の路面、人の下半身にとどまり、周辺の環境がまったく認識されず、「非常に危険」だった。
スマホでTwitterをしながら横断歩道(長さ約23メートル)を渡ったときの速度は、通常と比べて約20-30%遅くなった。
小塚教授は2016年10月に公表した論文で、歩きスマホの「特に注意していただきたい点」として、以下のように呼びかけている。
駅のプラットホーム、階段、エスカレーターの出入り口、歩道や横断歩道などの公共の場所では、人身事故につながるほか、左右方向の視線移動が全くなくなるため、横を通る高齢者や妊婦、子どもなど、けがをさせる危険性がある。自ら被害者になるだけでなく、加害者になる可能性があることを十分認識して欲しい。
NTTドコモが渋谷駅前のスクランブル交差点を渡る人たちが全員、歩きスマホだったら、という仮定で製作したCGシュミレーション動画をYoutubeで公開。
通常より約30%遅く歩き、1.5メートル程度に近づくまで気づかないこと、スマホ周りの30センチ程度の範囲しか見えてないことなど、小塚教授らの研究結果が反映されている。