「地球最後の日」まで残り2分ーー。アメリカの科学雑誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は1月25日、世界の終わりまでの時間を象徴的に表す「終末時計」を30秒進めた。
北朝鮮による核・ミサイル開発の加速や、地球温暖化に歯止めが効かないことなどを理由に挙げており、「残り2分」となったのは冷戦期の1953年と並んで、過去最短だ。
同誌は25日、公式サイトで声明を発表。今回針を進めた理由について、「2017年、世界の指導者は迫りくる核戦争の脅威と地球温暖化に効果的に対処することができなかった。世界の治安情勢を1年前よりも危険にさらしてしまい、第二次世界大戦後の冷戦時並みの脅威になった」と説明した。
声明ではさらに、北朝鮮が核・ミサイル開発を進めていることや、それに対するアメリカとの間で交わされたお互いの挑発的な言動などから、核戦争の危険性が高まっていると指摘している。
また、アメリカのトランプ政権がパリ協定の脱退を表明したことで、地球温暖化対策が停滞していることなどに対して危機感を示した。
その上で提言として、トランプ政権が北朝鮮に対する扇動的な言動をやめて対話をすることや、北朝鮮の核・ミサイル開発の中止させるために世界各国が尽力することなどを求めた。
■終末時計、核戦争への警告のために始まった。
終末時計は、核戦争の危機を警告する目的で、冷戦初期1947年に初めて同誌に掲載された。人類が滅亡する「地球最後の日」を午前0時と定め、核開発や戦争、環境破壊などの状況を踏まえて、残り時間を象徴的に示している。
これまでに24回修正され、ソ連が核実験を実施した1953年には、今回と同じ「残り2分」と最も終末に近づいた。2015年以降は毎年修正され、残り時間がどんどん短くなっている。
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