19日公開の映画「ジオストーム」の 監督がメッセージ「地球の未来へ警鐘を鳴らす」

「今回描きたかったのは、人間が介入してしまったことで描かれる"人災"ともいえるディザスター」

天候を操る気象コントロール衛星の暴走が、地球に引き起こす超異常気象を描く映画『ジオストーム』(19日公開)。同作でメガホンをとり、『インデペンデンス・デイ』をはじめ、ハリウッドで数々のディザスター(自然災害)映画の制作に関わってきたディーン・デブリン監督が、作品を通して地球の未来に警鐘を鳴らしていることを明らかにした。

 デブリン監督は「この物語は、ある意味地球の未来への警鐘を鳴らす作品として作っている。願わくは、気象コントロール衛星などの手段を使わなければ地球を救えないという極限の状態になる前に地球温暖化をせき止めたい。そういうメッセージとして受け取ってくれればよい」と、作品に込めた思いを語る。また、「"コントロールの効かなくなった自然"というのは、今までしばしば映画の中で描かれている。でも今回描きたかったのは、通常なら起こりえないディザスターを描きたかった。つまり人間が介入してしまったことで描かれる"人災"ともいえるディザスターをね」と話した。

 デブリン監督が危惧する異常気象が、実際にこのまま進むとどうなるのか。気象予報士で減災コンサルタントでもある饒村曜氏に日本の未来を聞くと、以下のように返ってきた。

 「異常気象がこのまま進むと、今まで起きたことがある現象の頻度が増えることが予想されます。例えば、30年に1回の頻度だった短時間強雨の発生率が、5年に1回に増えるなど。また、大雪が降る地方が北陸から東北に移るなど現象が発生している場所が移動したり、夏から秋に多く発生している竜巻が春でも発生するといったような、現象が発生する季節も変わるということが起きると思います」。

 また、気象コントロール衛星の暴走を食い止めようとする主人公を演じたジェラルド・バトラーも、最近の世界中で起きている異常気象を気にかけている一人。バトラーは「悲しいけど僕は地球の未来に関して悲観的だよ。僕らにはあまり選択の余地はない。この映画のように、気象コントロール衛星を作るアイディアはすばらしいけど、それは途方もなく大変だよね。だから、僕たちは今この瞬間からみんなで環境について考えなければならない。これはポップコーン映画だけど、そういったメッセージを届けるとても興味深い方法なんだよ」と、エンタメだけではない作品の意義を強調した。

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