ガキ使『黒塗り問題』に、松本人志「言いたいことはあるけど、面倒くさいので浜田が悪い」

「アメリカンポリス」の演出に批判の声が上がっています。
時事通信社

大みそか恒例のお笑い番組「絶対に笑ってはいけない」で、ダウンタウンの浜田雅功がアメリカの俳優エディー・マーフィーに扮して肌の色を黒くした演出に対して、議論・批判の声が広がっている。

この番組に出演した相方の松本人志は、1月14日放送の「ワイドナショー」で、「今後のバラエティは黒塗りなしでいくんですね。はっきりルールブックを設けてほしい」と騒動への見解を述べた。

問題となっているのは、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しスペシャル!」(日本テレビ系)の『絶対に笑ってはいけない』シリーズ。「アメリカンポリス」というテーマの中で、映画「ビバリーヒルズ・コップ」主演のマーフィに変装した浜田が、黒塗りメイクをして登場した。

Twitter上などで、「面白い」という反応があった一方、「ブラックフェイス」(黒塗りメイク)に反対する声も上がった。海外メディアでも取り上げられ、「人種差別的だ」と非難の的となった。

14日の「ワイドナショー」では、この問題について取り上げた。司会の東野幸治から見解を問われた松本は次のように述べ、正面からの回答を避けた。

「これに関しては、ぼくは、ホント色々言いたいことはあるんですけども...。いや、言いたいことはあるんですけども、めんどくさいので、もう、浜田が悪いでいいと思います。あいつを干しましょう」

司会の東野は、苦笑して手を横に振りながら、「いや、そんなことないですよ」。

松本はたたみかけて「国外追放」と言うと笑顔を見せた。

東野が「浜田さんもやらされてるんですよ。どっちかいうたら。更衣室入ったらこれがあったから...」と割って入る。

だが、松本は「でも、断らなかったあいつが悪い」と発言し、「どうですかね」と他の出演者に質問を向けた。

コメンテーターからは、「差別とは思わなかった」「黒人を笑ったわけではない」といったコメントがある一方で、日本人がこうした問題に「疎いのかも」といった発言も出ていた。

アメリカでは1800年代以降に、顔を黒く塗った白人が、黒人役を演じる「ミンストレル・ショー」が人気を博した。しかし、「人種差別的だ」とされて廃れ、いまでは「差別だ」という評価が定着している。

ゲスト出演した音楽プロデューサーの福嶋麻衣子(もふくちゃん)はそういった側面を踏まえて、顔を黒塗りにするという行為が「記号的に、世界的にダメなことにされているってことが、歴史的にも前提」と発言した。

そのうえで「日本の国内で笑っている分にはよかったかもしれないですが、最近は日本が国際的になって、世界中の人たちがそういうものを見ている。いろいろな目が増えた。先進国になったということの一つの表れかなと思う」と述べた。

そして、TV業界の制作者たちに向けて「日本がいろいろなところから見られている、国際的な立場になっているということに目配せした番組作りが必要なんじゃないかなというふうに思います」と結論づけた。

一方、松本は、次のように番組の立場を釈明した。「でも今回はテーマがアメリカンポリスで、ビバリーヒルズコップのエディーマーフィーをやったんですよ。だから流れとしては、唐突ではないですけど...」

日テレ側はこのようなコメントを発表している

「ご指摘のシーンについては、ダウンタウンの浜田さんが、あくまで、映画『ビバリーヒルズ・コップ』で俳優のエディ・マーフィさんが演じる主人公『アクセル・フォーリー』に扮したもので、差別する意図は一切ありません。本件をめぐっては、様々なご意見があることは承知しており、今後の番組作りの参考にさせていただきます」

番組でもこのコメントが読み上げられた。

これに対して松本は、「じゃあ、今後はどうするのかーって。僕らはものまねタレントではないので、別にいいんですけど。モノマネとか色々バラエティで、黒塗りは、じゃあもう、なしでいくんですね? はっきりルールブックを設けてほしい」と続けた。

黒塗りをどう考えるのか。この問いに、もふくちゃんは「黒塗りはアウトだと思います」と返した。「塗らないやり方でのモノマネはいくらでもある」と声を強めた。

他のコメンテーターからは「ダメだと言われたからごめんなさいでは、また違うパターンでの失敗をしてしまう」と、文化の違いについてもっと議論をすべきだという指摘も出ていた。

一方、もふくちゃんは「世界で見ても、全員が笑えるものではないといけないっていう風になってきちゃったんだと思います。それが良いか悪いかは別として...」と発言。

ゲストの安藤優子が「いやー、でも、そうなってくると、ものすごくテレビの番組って面白くなくなるような気がする...」と返すと、松本も「今、いいか悪いか別にしてと言いましたが、悪いしかないよ」と締めくくっていた。

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