YouTubeは1月10日、自殺の名所として知られる青木ヶ原の樹海で撮影した遺体の動画を撮影・投稿した人気YouTuberのローガン・ポール氏(22)との提携を解除すると発表した。広告メニューの「Google Preferred(グーグル・プリファード)」からチャンネルを除外し、共同開発していた独自コンテンツの制作を中断するという。米ビルボード誌などが報じた。
「グーグル・プリファード」はYouTubeが展開している広告商品のひとつ。最も人気の高い上位5%のYouTuberの動画に広告を出稿できるよう、企業に広告枠をパッケージで販売する仕組み。自殺動画を投稿した騒動を受け、この広告メニューからポール氏のチャンネルを除外した。ポール氏のYouTubeチャンネル自体は削除されていない。
ポール氏は1月1日、「日本の自殺の森で死体を発見」というタイトルが付けられた15分間の動画を投稿。動画には、ポール氏が青木ヶ原樹海で首吊り自殺したとみられる若い男性の遺体を発見するところが映し出されており、批判が殺到した。
ポール氏のYouTubeチャンネルには約1500万人が登録しており、ポール氏が投稿した動画は、投稿後しばらくして広告収益が無効化されたが、最初の24時間で600万回再生された。
ネット上で批判が高まったことを受け、ポール氏はその後謝罪。「ネット上でネガティブな影響ではなく、ポジティブな影響を与えることが出来るかもしれないと思った」「自殺と自殺防止の認知を高めようとしたんです」などと弁明した。
オンラインの署名活動サイト「Change.org」では、ポール氏のYouTubeチャンネルの削除を求める署名が11日時点で約47万人分集まっている。
この問題を受け、YouTubeは1月9日、公式Twitterを通じて声明を発表した。一連のツイートで、「投稿された動画に私たちも憤りを感じている」「自殺はジョークではなく、再生回数のための道具であってはならない」とポール氏を非難。再発防止措置を講じるとした。
一方で、YouTube側が動画の投稿から1週間以上が経ってから声明を発表したことに、対応の遅れを批判する声もネット上では寄せられている。