魚屋で買った貝類「サザエ」が歩いている様子を、飼い主の「UME(生物部)」さんがTwitterで紹介し、話題になっている。
サザエはスタスタ歩くんだけど、4年以上飼っていて、今日新たな発見をした! 次 pic.twitter.com/4fw3Y1wv8D
— UME(生物部) (@UMEZAWA_CRAFT) 2017年12月20日
UMEさんによると、飼育歴は5年近く。
「 2013年3月、近所の魚屋で「姫サザエ」として売られていたものを200円くらいで購入。 30cm水槽、人工海水、投げ込み式の小さい濾過装置で飼育。 餌は主に乾燥ワカメ。 うんこをたくさんするので、スポイトで吸い取って、減った分の海水を足す感じ」
UMEさんがことさらうれしかったのは、二足歩行(足を上げて歩くこと)が実現していたところ。
サザエさんたら、ちゃんと足を上げて歩いていた! pic.twitter.com/Lylk4NSlgp
— UME(生物部) (@UMEZAWA_CRAFT) 2017年12月20日
すたすた歩いているように見えるけれど、タイムラプスという撮影手法を用いているので「実際はもっとゆっくりです」という。
Twitterでは、サザエの歩く様にたくさんの反応が。
反響の大きさに、飼い主さんが、さらなるナイスショット。
歩くサザエさんの反響がすごくてビックリ!
サザエの魅力が伝わって嬉しいです。
ではもう1枚。
両手で抱え込むようにワカメちゃんつかんでむさぼり食うサザエさん。 pic.twitter.com/0VlwmP6UrP
— UME(生物部) (@UMEZAWA_CRAFT) 2017年12月21日
■生物学上の「名前」がなかったサザエ
実は日本沿岸のサザエは、長く別の品種と勘違いされいたことが分かり、わずか半年前に最近学術上の名前がついた「新種」だった。
そもそも、地球上に存在が確認された動物は、生物学上の「学名」がついている。学名がないと、生物学上、存在しないものと見なされる。
福田宏・岡山大学准教授が、過去の文献やサザエのスケッチなどを確認、勘違いに勘違いを重ねた末、約250年間、国民的アニメ番組の主人公の名前になるほど、日本人の生活に食い込んでいながら学名がついていなかったという事実を軟体動物学術誌に2017年5月、発表した。このため、日本のサザエは「新種」と位置づけられ、「Turbo sazae Fukuda, 2017」と命名された。
同大ホームページでの説明によると、それまでのサザエは、1786年、イギリスの博物学者が命名したとされる「Turbo cornutus」が学名だった。だが、この学術名は中国産の別種「ナンカイサザエ」で、日本の「サザエ」ではなかった。
同大は「生物の種の正確な識別と同定がいかに困難であるかを示す一端として示唆的」としている。