メイクをするのは何のため?
おしゃれ?
きれいになるため?
それとも社会人としてのマナー?
男性がするのはダメ?
ハフポスト日本版「Ladies Be Open」は秋以降、「メイクにまつわる常識を問い直す」をコンセプトに記事を度々掲載してきました。そんなテーマをリアルに考えるイベントが12月3日、大阪で開かれました。今回はその模様を報告します。
始まりは「化粧=マナー」への疑問だった
イベントには、男性のメイクや女装をサービスとして提供するIMAさん(27)と、ハフポスト日本版「Ladies Be Open」ディレクター、井土亜梨沙(27)が「化粧って何のためにするの?」のテーマで対談しました。
イベントは、大阪市北区の朝日新聞大阪本社でありました。女性が抱える悩みや問題について考える朝日新聞の企画「女子組」の6周年を記念した催しの一環で、約110人の女性たちが2人の話に耳を傾けました。
冒頭、井土がメイクにまつわる企画を始めたきっかけを説明しました。フリーライターの雨宮紫苑さんがハフポスト日本版に寄せた、「化粧をしないことは、本当に『マナー違反』なんだろうか」という文章で、メイクを通じて女性の自由度について考えたいと思うようになったと明かしました。
井土はまた、自らも30日間「すっぴん」で生活し、それを「日記」として連載した経験を語りました。職場の多くの同僚はメイクをしていないことに気づかなかったといいます。気づいた人も特段、深刻に受け止めなかったと説明。「メイクをすることが当たり前のような感覚になっていたが、メイクをするもしないも自由だと改めて気付かされた」と話しました。
一方、IMAさんは、メイクや女装の依頼を受ける男性たちは、色んな事情があると説明。男性恐怖症の彼女を少しでもリラックスさせたいという若者や、一度でいいから女装してみたかったという70代の男性などがいたと話しました。
男でありながらメイクしたり、女装したりすることを後ろめたく感じる客も少なくないといい、「『母ちゃんに内緒で女装していた』とか、『墓場まで持っていく』とか言う人もいました」とIMAさんは紹介しました。
質問相次ぐ
参加者たちから2人に質問が出ました。ある女性は井土が1カ月ノーメイクで過ごしたことについて、「同僚たちから嫌な反応はなかったか」と質問。これに対し、井土は「逆に『すごいね』と言われることがあって、それぐらい、女性にとってメイクがプレッシャーになっているんだと感じました」と答えました。
また、別の女性はかつて職場の男性上司から化粧をするよう求められたものの、上手にできずに悩んだ体験談を披露。これに対し、IMAさんは「メイクを学ぶ機会がなかったという人はすごく多いんですね。学ぶ機会がないのに『メイクしてない』と怒られるのは屈辱的やと思います。そんなことを言ってくる会社の偉い人には『なんであなたはメイクしてないんですか?』って逆に聞けばいいんです」と答え、会場からの笑いを誘いました。
男30歳、初のメイク
イベントの後半では、IMAさんによるメイクを実演しました。「モデル」は朝日新聞の男性記者(30)で、IMAさんは「顔から判断したところ、かわいい感じにしたいと思います」と説明しました。
参加者に注目されて不安な表情を浮かべる記者をよそに、IMAさんは黙々とメイクを施していきました。
最後にボブヘアのウィッグをかぶせ、完成すると、記者の変身ぶりに会場から歓声が上がりました。
ハフポストでは、「女性のカラダについてもっとオープンに話せる社会になって欲しい」という思いから、『Ladies Be Open』を立ち上げました。
女性のカラダはデリケートで、一人ひとりがみんな違う。だからこそ、その声を形にしたい。そして、みんなが話しやすい空気や会話できる場所を創っていきたいと思っています。
みなさんの「女性のカラダ」に関する体験や思いを聞かせてください。 ハッシュタグ #ladiesbeopen も用意しました。 メールもお待ちしています。⇒