人気の日本酒「獺祭」を販売する旭酒造が、「お願いです。高く買わないでください」と呼びかける意見広告をだした。
旭酒造の桜井一宏・代表取締役社長の名前で意見広告が掲載されたのは、12月10日の読売新聞・全国版の朝刊。広告には「獺祭」のメーカー希望小売価格と、全国各地の正規販売店がずらりと並んだ。
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背景には、ブランド銘柄への人気集中がある。毎日新聞によると、インターネットなどを通じて、無免許で不正転売しているケースが増加。国税当局も対応を強化しているという。
アメリカのオバマ元大統領がホワイトハウスに安倍晋三首相を招いた際に、乾杯のお酒としてふるまわれたことでも名高い「獺祭」。
「プレミアム価格」と称して、メーカーが提示している希望小売価格の数倍の値段で、取引されることもしばしばだ。
●担当者「獺祭はお客さんの幸せのためにある」
旭酒造の担当者は、意見広告を出した理由について、ハフポストに以下のように語った。
「私たちのお酒はお客様の幸せのためにあります。でも、その思いとは裏腹に、大手スーパーなどでも『プレミアム価格』などと称して、商品が高い価格で売られている現状があります」
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「お客様の中には、ご自身が払っている金額が、私たちの提示している価格と大きく乖離していることをご存知ない方もたくさんいます。その状況を突破したいという思いで新聞広告を出しました」
新聞広告の約半分の面積を使って正規販売店を載せたのは、正当な価格で買ってほしいと訴えたかっただけではない。転売の過程で、商品の質が劣化してしまうことを懸念しているのだという。
「商品が不透明な流通網でやりとりされると、保存状態も悪く、品質が落ちている可能性も高いです。値段は高くし商品は劣化している、という状態は、私たちの望んでいるお客さまの幸せではありません」
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