11月29日に開かれた横綱・日馬富士の引退会見には、師匠の伊勢ケ濱親方も同席した。
涙をぬぐったり鼻水をすすったりするなど、悲しみをこらえきれない伊勢ケ濱親方だったが、記者の質問が進むにつれ、不快感をあらわにする場面もあった。
「日馬富士を16歳という少年のころから見てきていますが、稽古、稽古で精進したのみならず、色んな勉強もし、難病救済など社会貢献もするタイプだと思っていました」
「およそ酒癖が悪いとか乱暴するとか、私自身見たことも聞いたこともありませんでした。そのため今回、なぜこのようなことになったの、ただただ不思議というか、残念でなりません。横綱の権威を汚すようなことをした。本人が自分がいちばん悪いんです」
「人様のせいにするわけにはいきません。本当に申し訳ありませんでしたと言うしかありません。ただただ支えて頂いたファンの皆様、相撲協会の皆様に心からお詫びとお礼を申し上げます。申し訳ございませんでした」
そう言った後、深々とお辞儀をしてハンカチで涙をぬぐった伊勢ケ濱親方だったが、会見が進むにつれ、質問に対して不快感を隠さなくなった。
暴行事件への、自身の対応について報道陣から質問が出るとーー。
ーー今回の件、これまでの対応をふりかえって。
伊勢ケ濱親方)私ですか?全部筋道通した。それだけです。
ーー対応が遅れたという指摘がある。
伊勢ケ濱親方)私は知ってすぐ謝罪した。電話でも謝罪した。そういうことはきちんとやって参りました。
引退への話になると、沈黙する日馬富士に替わって横から答えた。
ーーここで引退を決めた
伊勢ケ濱親方)したっていうかそうなってしまったんじゃないですか。
畳みかける報道陣を遮る一幕も。
ーー本当はどの段階で引退を決意されたのか?
伊勢ケ濱親方)それはさっき話したんだから、述べたんだから。同じ質問を繰り返さないでください。もっと皆さん聞きたいことがあると思うので、同じような質問ではなくて、(他の記者に)替わって下さい。おんなじような質問じゃなくて 1人1つにしてください。
以降は、質問を遮ることも。
ーーこれから角界にどのように関わっていくのか。
伊勢ケ濱親方)今日引退したばかりなんだから、(話さなくても)いいでしょ。
ーー何があったのか、事件当日のことを。
伊勢ケ濱親方)ちょっといいですか、今の質問に対して。あのまだ、捜査が続いていますので。おんなじような質問が続いているので。