2018年1月28日に開催される第60回グラミー賞のノミネート作品が11月28日、発表された。
グラミー賞は全部で84部門。このうち、主要とされる年間最優秀アルバム賞などの4部門で、ノミネートされた白人男性の数が極めて少ないとして、注目が集まっている。
海外メディアは「多様なグラミー賞(#GrammySoDiverse)」とのハッシュタグを見出しに付け、同賞における人種の多様化が進んでいることを伝えた。
年間最優秀アルバム賞の候補には、最多8部門にノミネートしたジェイ・Zやケンドリック・ラマー、ブルーノ・マーズなどの黒人男性アーティストが並び、1999年以来初めて白人男性が不在になった。
また、年間最優秀レコード賞でもジェイ・Zなどがノミネートし、白人アーティストの少なさが目立つ。
YouTubeの再生回数が44億回を超えた話題作で、グラミー賞の有力候補とされている「デスパシート(Despacito)」のリミックス版も最優秀レコード賞の候補に入ったが、歌っているのはヒスパニック系のアーティスト、ルイス・フォンスィとダディー・ヤンキーだ(ジャスティン・ビーバーもフィーチャリングで参加している)。
ワシントン・ポストは、「アデルのアルバムがビヨンセの『Lemonade』を制したことで物議を醸した昨年のグラミー賞を鑑みると、注目に値する出来事だ」と報じている。
一方で、イギリス出身のエド・シーランが主要部門にノミネートされていないことに疑問を呈す声もあがっている。シーランが発表した「Shape Of You」はアメリカ・ビルボード史上初めて33週連続でトップ10入りを果たし、大ヒットを記録した。
グラミー賞を主催するザ・レコーディング・アカデミーのニール・ポートナウ会長は、エンタメ業界紙バラエティのインタビューで、グラミー賞に多様なアーティストがノミネートされることについて、「とても良いことだと思っている。この調子で続けていきたい」と語った。
ポートナウ会長は、ヒップホップなどのアーバン・ミュージックが社会に浸透していることや、今回初めて導入するオンライン投票がノミネート者の多様化に繋がったとの見解を示している。紙ベースの投票からオンラインに移行することで、世界各地でツアーを実施しているアーティストなど、今まで投票できなかった会員も投票に参加するようになったという。
●年間最優秀レコード
「Redbone」 チャイルディッシュ・ガンビーノ
「デスパシート」 ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーfeat.ジャスティン・ビーバー
「ザ・ストーリー・オブ・O.J.」 ジェイ・Z
「ハンブル」 ケンドリック・ラマー
「24K・マジック」 ブルーノ・マーズ
●年間最優秀アルバム
『アウェイクン、 マイ・ラヴ!』チャイルディッシュ・ガンビーノ
『4:44』 ジェイ・Z
『ダム』ケンドリック・ラマー
『メロドラマ』 ロード
『24K・マジック』 ブルーノ・マーズ
●年間最優秀楽曲
「デスパシート」ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーfeat.ジャスティン・ビーバー
「4:44」ジェイ・Z
「Issues」ジュリア・マイケルズ
「1-800-273-8255」ロジックfeat.アレッシア・カーラ&カリード
「ザッツ・ホワット・アイ・ライク」ブルーノ・マーズ
●最優秀新人賞
アレッシア・カーラ
カリード
リル・ウージー・ヴァート
ジュリア・マイケルズ
SZA