若者の「外出離れ」が判明⇨「貧困化」を「○○離れ」って言うな、と怒りの声も

国交省の調査で、20代男性の休日の平均移動回数が大幅に減少したことがわかった。

「クルマ離れ」「ビール離れ」「海離れ」など、若者の「◯◯離れ」が、度々話題になっている。今回は国土交通省の調査で、若者の外出回数が減少していることが明らかになった。

国交省は「因果関係ではなくあくまでも推測レベル」としつつ、参考資料としてスマホや宅配便の普及などライフスタイルの変化、「非正規」就業者の増加を挙げている。「外出離れ」と名付けた報道も相次いでいるが、ネットでは「離れじゃなく貧困化では」の指摘が多数挙がり、共感が集まっている。

若者は高齢者より外出回数が少ない

11月21日、国土交通省が5年に1度実施している全国都市交通特性調査の2015年版の結果が発表された。

その結果、20代の若者が1日に移動する平均の回数が、70代の高齢者を下回ったことが判明した。若者の外出は減少傾向、対して高齢者の外出は増加傾向にあり、2015年の調査で両者がついに逆転した形だ。

若者の移動回数の減少は、日本だけではなくアメリカ・イギリスとも共通の傾向にある。一方で、高齢者の外出回数が逆転したのは日本だけだ。

国土交通省「全国都市交通特性調査結果」

特に20代男性の休日の外出回数が減少

さらに男女別では、休日の20代男性の外出回数の減少が顕著だった。

20代男性が1日に移動する平均の回数は平日で1.91回、休日で1.24回。これは調査開始以来、最低となっている。初回調査が行われた1987年は平日が2.98回、休日が2.31回。休日の比較では30年間で47%も減少していた。

国土交通省「全国都市交通特性調査結果」

移動回数は、自宅にずっといた人が0回。自宅と目的地を往復すれば2回、その途中で立ち寄る場所が別にあれば3回とカウントされる。

家の外に一度でも出た割合を表す「外出率」でも、20代男性は平日が81.2%、休日が51.1%。平均して、休日のうち半分は、家から一度も出ていないことがわかった。

外出の目的別で比較すると、平日は男性の「業務目的」の外出が減少、休日は男性の「買物以外の私用」が大幅に減少している。

背景に「非正規」労働者の増加?

調査では、関連情報としてインターネットやスマートフォンの普及が急速に進んでいることや、宅配便取り扱い数が増えていることなどを挙げている。平日に家でできる余暇が広がったことや、通信販売を利用する人が増えたことが推測される。

また、就業形態別の調査で、年齢や平日・休日にかかわらず1日あたりの移動回数は、正規就業者、非正規就業者、非就業者の順に低くなっていることが明らかになっている。

国土交通省「全国都市交通特性調査結果」

20代の非正規就業者・非就業者の割合は53.5%にまで増加(92年は39%)しており、労働形態の変化との関連についても推測される。

Twitterでは、以下のような反応が挙がっている。

「もう「貧困化」のことを「○○離れ」って言うのやめた方がよくね」

「だって外出したらお金いるじゃん」

「レジャー代一番最初に削るの当たり前」

「30年前のデータと比較されてもな。 1987年ってバブル真っ盛りじゃね?」

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