「女性のみの日本の警察部隊は、ある種の性差別」 イヴァンカ訪日を海外メディアはどう報じた?

安倍首相と出席した国際会議は「ガラガラ」と酷評
Twitter / @CNN

11月2日からの米トランプ大統領の長女、イヴァンカ大統領補佐官の訪日は、海外でも報じられている。どのように報じられていたのか、一部を紹介しよう。

「女性のみの警察官は一種の性差別」

CNNはイヴァンカさんら女性要人のために警視庁に結成された女性機動隊員ら数十人による「女性警戒部隊」を紹介した。所属する隊員たちは胸当てなどをつけた重装備ではなく、黒いスーツ姿だ。

この装備に対して記事は、かつて米大統領警護隊(シークレットサービス)で大統領保護を担当し、現在はCNNで法務執行アナリストを務めるジョナサン・ワックロウ氏のコメントを紹介した。

ワックロウ氏は「この部隊は、実際のセキュリティプログラムでは最小限。いかなる緊急事態でも、当てにされていない」などとコメント。「通常、これらの部隊を組織することで、(警察などの)法執行機関は敬意を示すことができる」などと述べた。

Foxニュースは女性警戒部隊の装備について、「イヴァンカを守る装備ではないように見える」と評価した。

ワシントン・ポストも「「イヴァンカ・トランプを守る全員女性の日本の警察部隊は、実際はある種の性差別」という記事で、女性警戒部隊について報じた。記事はCNNのワックロウ氏の「(この組織は)敬意を示すために組織されている」というコメントを引用しながらも、「もし、女性のエンパワーメントについて主張したいなら、警察が犯罪と立ち向かうために協力するほうが納得がいく」などと指摘している。

「東京でのイヴァンカの講演はガラガラだった」

英ガーディアンは「ガラガラの席がイヴァンカを迎えた」と始まる見出しで報じた。4日午後3時時点で、この記事は2万5000件以上以上シェアされている。

イヴァンカさんは3日、海外の女性指導者らを東京に招いて女性政策を議論する「国際女性会議WAW!」に、安倍晋三首相らと出席した

記事はイヴァンカさんが基調講演で「正直に話すと、子どもたちとドタバタと楽しい週末を過ごした後の日曜の夜は、オフィスでのハードで長い1週間を終えた金曜の夕方より、ずっと疲れている。」などとスピーチしたことを紹介。さらに、安倍首相が、「私たちは、女性が働きやすい環境を作ることに力を注いできた」などと話したことも伝えた。

ただし、「世界経済フォーラム」が発表した男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」で、日本が2017年は世界144カ国中114位だったと解説。「G7では最低」などと述べた。

会場については「半分が空席だった」などと描写。「当局者は、『3日間の会議の中では最も登録者が多い講演だったが、セキュリティーのために、部屋に入ることができない人がいた』と話したが、ガーディアンが到着した開始10分前になっても、ホールの外には、待っている人の列はなかった」と記した。

中国のサウスチャイナ・モーニング・ポストもこの記事を配信し、1700回以上シェアされている。

▼会場のガラガラぶりを伝えた参加者のツイート

「イバンカ氏の料亭・ホテル日程を"生中継"する日本」

韓国の中央日報は、「『食事はいかがでしたか』...イバンカ氏の料亭・ホテル日程を"生中継"する日本」などと、日本のメディアの熱狂ぶりを報じた。

記事は、成田空港に到着した時はもちろん、ホテルや料亭の前でも報道陣が待ち構えていたことを紹介。

「日本独特の『おもてなし』がイバンカ氏の日程を埋めていることについて、一部では「度が過ぎるのでは」という指摘が出ている。しかしトランプ大統領に対するイバンカ氏の影響力を考慮すると外交的に十分に価値があるという評価が多い」などと伝えた。

一方、中央日報は「国際女性会議WAW!」に関する記事も掲載した。記事では、日本が「女性起業家資金イニシアティブ」に57億円を拠出を表明したことを紹介し、「安倍首相が女性起業家のために大金を支出すると明らかにしたが、女性が被害者である日本軍慰安婦問題については謝罪すらしていないこととは極めて対照的という評価もある」などと綴った。

注目記事