神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件で10月31日、警視庁は白石隆浩容疑者(27)を死体遺棄容疑で逮捕した。白石容疑者の逮捕につながったのは、行方不明の妹を案じる兄の行動がきっかけだったと、朝日新聞デジタルなどが報じた。
行方不明となった東京都八王子市の女性(23)のTwitterアカウントに、10月下旬から女性の兄が投稿。女性があるユーザーとやり取りをした直後に消息を絶ち、警察に捜索願を出していることなどを報告していた。
■「死にたいけど一人だと怖い」の後、投稿が途絶える
産経ニュースによると、行方不明の女性のTwitterには9月20日、「#自殺募集 死にたいけど一人だと怖い」として、一緒に自殺する人を募集する書き込みがあった。さらに3日後には「パッと死んで パッといなくなりたい」とも投稿していた。
その後は約1カ月、投稿が途絶えていたが10月26日、本来のユーザーの兄から連続投稿があった。抜粋すると以下の通り。
(※現在、このアカウントは削除されている)
■妹のアカウントで兄が投稿
このアカウントを作成した者の兄です。 10月23日を最後にアカウント主、つまり私の妹と連絡がつかなくなりました。 それまでは毎日のようにLINEで連絡をとっていました。 しかし23日の朝9時を最後に反応がなくなりました。
このアカウントにログインできたのは、妹があらゆるパスワードを特定のワードで統一しており 妹の口から直接その旨を聞いていたからです。
現在、警察に捜索願を出しており 事件性があると認められたのか 当日から捜索を開始してもらえました。 携帯の通信履歴から大まかな携帯の所在地も掴めているようです。
とあるユーザーに妹がDMで連絡しました。 彼は以前、妹の希望する練炭自殺を 未遂になる可能性があるからと首吊りを提案した人でした。 妹はその時もやはり怖くなり会話を切り上げた相手です。
死ぬ決心がついたとその日の9時30分頃に妹が彼に連絡を入れました。 その30分前に私は妹とLINEで日時会話をしていました。
トントン拍子で話は進み、その4時間後には駅で合流してしまったみたいです。
■女性の協力でおとり捜査
朝日新聞デジタルによると、こうした書き込みを続ける兄に対し、ある女性から「アカウントに心当たりがある男がいる」というメッセージが届いたという。
兄は警視庁に、このアカウントの持ち主の男について通報。警視庁は女性に協力をあおぎ、捜査員らと共に、男を小田急線・相武台前駅に呼び出した。
捜査員が男から離れた場所で女性に顔を確認してもらうと、以前に女性が会ったことがある男と判明。この男が白石容疑者だった。捜査員は女性を白石容疑者とは接触させず、白石容疑者を尾行。アパートの部屋に戻ったところを踏み込んだ。