アメリカのプロフットボールリーグ(NFL)の試合で、複数の選手が抗議として国歌斉唱で起立しなかった。試合を観戦に来ていたペンス副大統領が、これに激怒し途中でスタジアムを去る一幕があった。
CNNによると、ペンス氏は10月8日、地元のインディアナ州で行われたインディアナポリス・コルツとサンフランシスコ49ersの試合を観戦。
ところが国歌斉唱の際、複数の49ersの選手が片膝をついたまま起立しなかったため、観戦をやめてスタジアムを去った。
ペンス氏は自身のTwitterを更新し、退席の理由を説明。「トランプ大統領と私は、我が国の兵士や国旗、国歌に敬意を表さない行為は一切尊重しない」と、起立しなかった選手を批判した。
続く投稿で、「誰もが自分の意見を述べる権利があるが、NFLの選手に国旗や国家を尊重するよう求めることは行き過ぎたこととは思わない」と発言。
さらに、「私はトランプ大統領や国にために戦う兵士を支持する。そして、いつでも国旗や国家を支持する立場だ」とつづった。
一方、トランプ大統領もTwitterを更新。
「もし国歌斉唱で選手が起立しなかったら、国に対する侮辱行為として、ペンス氏にスタジアムを去るよう伝えていた。ペンス氏と妻のカレン氏の行動は素晴らしいものだ」とつづり、退席するよう指示していたことを明らかにした。
ペンス氏はこの日、インディアナポリスのユニフォーム姿で妻カレン氏と一緒に映った写真や、国歌斉唱で胸に手を当てて起立する写真を、Twitter上に投稿していた。
これに対して、起立しなかった49ersのエリック・リード選手は、報道陣の取材に応じ、ペンス氏の途中退席について「これはPRだ」などと批判した。
BBCによると、国歌斉唱中に「膝をつく」行為は、49ersのコリン・キャパニック選手が2016年、警察官による暴力に抗議として行ったのが始まりだ。
それ以降、アメリカ中の大きなイベントでこの行為が広まり、SNS上でも「TakeAKnee」というハッシュタグが使われるようになった。