「GUに、そんな未来感のあるテクノロジーが必要なの...?」
デジタルテクノロジーを駆使したGUの新店舗が9月15日にオープンしたと聞いて、横浜市にある「横浜港北ノースポート・モール」のGUに行ってきました。
出迎えてくれたのは、GUマーケティング部PRチームの橋本佳苗さん。「これまでのGUとは一線を画した『スタイリング提案型』の店舗を目指しました」と語る店内は、「確かにマネキンが多いな」という印象です。
■ネットショッピングの便利さがリアル店舗に拡張してきた。
目玉となっている、デジタルテクノロジーを活用したミラーとカートを体験してきました。
商品のタグをかざすと、すでに商品を買った人の口コミレビューや、コーディネート例などを見ることができて、とても便利です。 普段なら、試着しながらスマホで確認していた口コミが、自動で鏡に映って"未来感" があるし、何より楽チンです。
商品タグに埋め込まれた「RFID」という特殊なセンサーを検知して、アイテムの情報を表示しています。
手を振って、頭上のセンサーを反応させると、コーディネート例や口コミレビューがミラーに映し出されます。
コーディネート例は、モデルさんの写真だけでなく、GUアプリで投稿された一般ユーザーの着こなしも見ることができて参考になります。
購入者レビューには、身長や購入サイズが書いてあるので、自分が買った時のことを想像がしやすい。中には「自分でゴムを縫い付けて使っています」といった裏技も紹介されてしました。
橋本さんは、「今のお客さまは、(モデルのかっこいいスタイルだけでなく)すぐに真似できるリアルな着こなしのアイデアを求めています」と話してくれました。
今度はカートに挑戦。 カートを持って店内を移動すると、エリアごとのおすすめ情報がプッシュされます。
ミラーと同様に、商品タグをかざすことでレビューやコーディネートも見ることができます。また、カラーバリエーションとサイズ毎の在庫も確認できて、店員さんだけが持っている道具みたいです。
「接客されるのは苦手、でもスタイリング提案はされたい」という買い物客にとって、こういったミラーやカートは嬉しいのではないでしょうか。海外旅行客などもストレスなく買い物できそうです。 もともと「Help Yourself(お好きなようにお買い物を)」を標榜しているGUらしい「スタリイング提案」の方法だと感じました。
■全店展開は、すぐには難しそう。
行く前は「そんなテクノロジー必要なの?」と思っていましたが、とても気軽に使えて便利で、驚きました。
GUといえば、「ガウチョ」「スカンツ」などといったトレンドアイテム推しのイメージがありましたが、「何を着るか」だけでなく「どう着るか」をテクノロジーを駆使しながら提案されるのは、適度な心地よさがあります。
デジタルストアをオープンした背景について、橋本さんは「お客様のニーズを掴み、買い物体験をもっと楽しんでもらえるお店のあり方を模索したかった」と語りました。すぐに売上アップを狙うというよりも、この"実験店舗"から得た学びを、他店舗での接客やオンラインストアの利便性向上に活かしていきたいといいます。
ミラーやカートの導入コストや、広大な敷地を確保できる場所が限られているなどといった課題もあり、今後の全店展開については未定だそうです。