「北朝鮮と断交を」河野太郎外相、世界に要求

背景には、安倍首相の国連総会での「必要なのは行動」演説か。
コロンビア大学で講演する河野太郎外相。September 21, 2017. REUTERS/Amr Alfiky
コロンビア大学で講演する河野太郎外相。September 21, 2017. REUTERS/Amr Alfiky
Amr Alfiky / Reuters

国連総会の関連会合に出席するため訪米中の河野太郎外相は9月21日(日本時間22日午前)、ニューヨークのコロンビア大学で講演し、北朝鮮と国交を結んでいる国々に対して「断交」を求めた。

AFP通信によると、河野氏は講演の中で「世界160カ国以上が金正恩政権(北朝鮮)と外交関係を結んでいる」と指摘し、「我々は、これらの国々に対し、北朝鮮との外交的・経済的な関係を断つよう求めなければならない」と強い言葉で主張した。

その上で河野氏は、国連安保理の制裁決議をすべての国が実施すれば、北朝鮮は輸出収入の90%を失うと推定。北朝鮮労働者の受け入れを見直し、制裁決議の完全履行を訴えた。

河野外相の強い言葉の背景には、安倍晋三首相が20日に国連総会の演説の中で「対話による問題解決の試みは無に帰した」「決議はあくまで始まりにすぎない。必要なのは行動だ」と、北朝鮮への圧力強化を訴えたことが念頭にあると思われる。

産経ニュースによると、河野氏はアメリカのトランプ大統領が19日の国連総会での演説で、拉致被害者の横田めぐみさんを取り上げたことについても言及。「高く評価する」と述べ、「北朝鮮に拉致された無実の米国人が現在もいる」とも語り、拉致問題が国際社会全体の問題であると説いた。

また、河野氏は尖閣諸島などをめぐる領有権や戦時中の歴史認識で対立する中国との関係について言及。中国が南シナ海でアメリカ軍が実施する「航行の自由」作戦への支持を表明したという。

一方でAFP通信によると、河野氏は以下のように語り、中国と円滑な関係をつくることに意欲を見せた。

「我々は、世界で2番目および3番目に大きな経済大国です。それゆえに、我々は地域の平和と繁栄のために大きな責任をを持ちます」

「したがって、我々は互いに対立してはいけません。緊張がアジアの全てを支配することを、我々は許してはなりません」

注目記事