学校内でのヘイトスピーチを規制する内容を含む「ソウル特別市学生人権条例一部改正案」が9月6日、韓国・ソウル市議会本会議で可決した。
12日、ソウル市議会が発表したところによると、改正案には「学校の設立者・経営者、校長・教職員、学生などが差別的な発言・行動、嫌悪的な表現で他人の人権を侵害してはならない」という規定が新たに盛り込まれた。
今回の改正で人種、性別、宗教、出身国、性的指向などを根拠に学内でヘイトスピーチをした場合、行政機関の教育庁が介入できる根拠が用意されたことになる。
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2017年3月、ソウルのある小学校で、教師が多文化家庭(国際結婚の家庭)の生徒を「チャイナ」と呼ぶ出来事があった。この教師は、生徒たちが別の生徒を指しながら「○○○もチャイナです」と言うのにも同調した。
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ソウル市教育庁によると、2013年から今年の第二四半期までに受け付けた学生人権相談・救済申請のうち、差別を受けたと訴えた事例は143件、言葉による暴力を受けたという事例は766件で全体(4513件)の約17%を占めた。-連合ニュース
ソウル市教育庁で学生人権擁護官を務めるユン・ミョンファ氏は、連合ニュースに「今回の改正で、ヘイトスピーチも人権侵害と見る明確な根拠ができた」、「学校で起こるヘイトスピーチに、教育庁がさらに積極的に対応できるようになったことに意義がある」と説明した。
改正案を発議したソウル市議員のキム・ギョンジャ氏は、ソウル市教育庁を通じて「学校内の差別・嫌悪的な表現は、学生が民主的な市民として成長するにあたり、妨げとなる恐れがある」、「学校の構成員らが嫌悪的な表現で誰かを差別する状況を助長しないようにしたい」との趣旨を明かした。
ハフポスト韓国版より翻訳・加筆しました。