東京オリンピック招致「買収する意図あった」 ブラジル検察が結論と報道

関係者に約1100万円が送金か
Toru Hanai / Reuters

2016年リオデジャネイロ五輪と20年東京五輪招致の不正疑惑をめぐり、両招致委員会から当時の国際オリンピック委員会(IOC)の関係者に多額の金銭が渡った可能性があると、ブラジル検察が結論付けた。ガーディアン紙が9月13日に報じた。

ガーディアンは、同紙が入手した書類に、当時の国際オリンピック委員で国際陸連会長だったラミン・ディアク氏を父に持つパパマッサタ・ディアク氏が、五輪の開催地がリオや東京に決まった数日後、フランスの宝石店で多額の支払いをしたなどと記されていたと報じた。

フランス当局の捜査を元に書類をまとめたブラジル当局は、両招致委員会からディアク氏の息子パパマッサタ氏に金銭が渡り、「票の買収とIOCに影響力を持っていたラミン氏からの支援を得る意図があった」と結論付けたという。

東京五輪については、コンサルタント契約を結んでいたシンガポールの「ブラック・タイディングズ(BT)」社経由で、約8万5000ユーロ(約1100万円)がパパマッサタ氏側に渡っていたとされる。

ガーディアンは2016年、ブラック社の口座に東京招致委から多額の送金があったと報じたが、東京側は不正を否定。東京地検が今年2月、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長を任意で事情聴取をしている

リオ五輪の買収疑惑をめぐっては、ブラジル連邦警察の捜査が進んでいる。

地元警察が9月5日、同国の五輪委員会とヌズマン会長宅を家宅捜索し、ヌズマン氏は命令に応じて出頭した。

時事ドットコムによると、リオが五輪開催地に決まった2009年のIOC総会の直前に、ブラジルの実業家からフランク・フレデリクス委員(ナミビア)に間接的に約30万ドル(約3300万円)が渡った疑惑が浮上しており、ヌズマン氏には仲介役を担った疑いが持たれている。

一方IOCは9月8日、リオ五輪招致における買収工作の疑いでフランス当局が捜査していることについて、バッハ会長名で「証拠が明らかになれば、適切な処罰を下す」との声明を発表。「IOCは高潔性を重んじており、今回の件について真剣に受け止め、関心を持っている。1年以上前からフランス検察の調べに応じ、IOCの倫理委員会でも調べている」とつづった。

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