北朝鮮は9月13日、6回目の核実験を受けて国連安全保障理事会で新たに採択された制裁決議に対して「極悪非道な挑発行為の産物」「峻烈に断罪、糾弾し、全面排撃する」とする外務省の報道を発表した。
国営の朝鮮中央通信が伝えた発表内容によると、北朝鮮外務省は報道発表で以下のように制裁決議を批判した。
「アメリカが、ありとあらゆる卑劣で悪辣な手段と方法を全て動員し作り上げた国連安保理の『制裁決議』は、我が共和国の正々堂々たる自衛権を剥奪し、全面的な経済封鎖で、我が国家と人民を完全に窒息させることを狙った極悪非道な挑発行為の産物だ」
その上で、「アメリカの主導の下、再び強行された不法で極悪非道な制裁決議の採択は、我々が選択した道が正当であることを確認させ、決着をみるまでこの道を変わりなく、より速やかに進むべきとの意志をさらに強固にする機会となった」と威嚇した。
また、「前代未聞の反共和国制裁の圧迫策動で我々の発展を妨害し、武装解除させ、核兵器で我々をおさえつけようとするアメリカの企てが明らかになった」とし、「アメリカと実際的なバランスをとり、我々の自主権と生存権を守り、地域の平和と安全を保障するための力をつけていくことに、より拍車をかけるだろう」と、今後も核開発を継続する姿勢を強調した。
北朝鮮は12日にも朝鮮中央通信を通じ、「歴史上で最大の痛みと苦しみをアメリカにもたらす」と挑発している。
■国連安保理の制裁内容は?
国連安保理が9月11日、全会一致で決議した対北朝鮮制裁の主な内容は以下の通り。
今回の制裁では、北朝鮮への原油輸出量を今の水準にとどめることや、北朝鮮が石油精製品を輸入できる量を年間200万バレルまでに制限することが決まった。一方で、北朝鮮が繊維製品を他国へ輸出することも禁ずる。
過去の制裁決議で石炭、鉄鋼、海産物などが禁輸対象となっている北朝鮮にとって、繊維製品は唯一残された主力輸出品の一つだった。
石油と繊維製品のいずれも、北朝鮮の一番大きな貿易相手国は中国だ。北朝鮮は石油の8割を中国から輸入しており、繊維製品の8割を中国へ輸出している。
今回の制裁決議は、これまで慎重姿勢を崩さなかった中国が受けいれるレベルまで妥協した結果だが、「肝心の核・ミサイル開発は止められない」と指摘する声もでている。