イギリスで9月4日、ファーストフード大手「マクドナルド」の従業員がストライキを行った。イギリスで同社従業員のストが行われるのは、1974年の開店以来初めてという。BBCなど複数のメディアが伝えた。
ストは、ケンブリッジとクレイフォードの2都市のマクドナルドに勤める従業員が、4日の深夜0時から24時間のストを行ったという。
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ロンドンの国会議事堂前に集結した従業員たちは、時給10ポンド(約1420円)以上への賃金の引き上げや、労働環境の改善などを訴えた。
イギリスの新聞「ガーディアン」によると、マクドナルドは、契約で週あたりの労働時間数があらかじめ決まっていない「ゼロ時間契約」の従業員を抱える国内有数の会社という。
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ゼロ時間契約は、週あたりの労働時間が決まっておらず、雇用主の要請がある場合のみに働く雇用形態。
雇用主に仕事を提供する義務はないため、勤務が「ゼロ時間」になる可能性もある。正規雇用のような病欠手当や産休などは保障されにくいなど、労働者の権利が制限されることも多い。
イギリス統計局によると、現在イギリス国内で90万人以上がこの雇用形態で働いており、そのうち32%は、もっと長い時間働きたいと感じているという。
マクドナルドのクレイフォード店でゼロ時間契約で働く女性は、BBCの取材に対し「上司に嫌われて十分に仕事を回してもらえない恐れを常に感じている」と語った。
イギリスの失業率は5%を下回っており、この数字だけを見ると労働者に有利な市場に見える。しかし実際には、より安定した「働き方」を求めて労働者は声をあげ続けている。