アメリカのプロバスケットボール協会(NBA)のスーパースターが、ドナルド・トランプ大統領への反感を示した。
昨季リーグ制覇したゴールデンステイト・ウォリアーズのエース、ケビン・デュラント選手が8月17日、優勝を記念してトランプ氏からチームがホワイトハウスに招かれた場合は同行しないと表明したと、スポーツ専門局のESPNなどが報じた。
アメリカのプロスポーツでは、優勝チームがホワイトハウスに表敬訪問するのが恒例となっている。
デュラント選手は8月17日、自身の地元メリーランドでのイベントでESPNの取材に対し、「いや、僕は行かない。今大統領室にいる人物のことは尊敬できない」と述べた。
デュラントは、チームとしての考えではないと断った上で、自身の決断の理由についてこう説明した。
「トランプ氏の考えには同意できない。僕の意見は、表敬訪問に同行しないことで多くの人に届くことになる」「この判断は僕個人のものだけれど、チームメイトは賛同してくれるはずだ」。
デュラントがそう決断したのは、トランプ氏の言動が、ここ最近アメリカで起きている人種間の緊張状態や白人至上主義の高まりの一端を担っていると考えているからだ。
「彼は間違いなく事態を招いている。彼が大統領選に立候補し、実際に大統領になってから、僕はアメリカは分断してしまったと感じていて、これは偶然ではない」と強調。
オバマ前大統領の時代と比べながら、「当時はものごとは良い方向に進んでいた。黒人の大統領の誕生は、僕が生まれ育ったコミュニティーに希望をもたらした」と訴えた。
黒人選手の多いNBA選手の中で、トランプ氏に反対の意思を示したのは、デュラントだけではない。
ファイナルでウォリアーズと戦ったクリーブランド・キャバリアーズに所属するレブロン・ジェームス選手も15日、自身のTwitterで次のように発言している。
「憎しみは常にアメリカに存在してきた。それは分かっている。でもドナルド・トランプは、その感情を流行りであるかのように蒸し返してしまった!銅像なんて今の僕たちには関係ない」
アメリカ東部バージニア州のシャーロッツビルでは12日、白人至上主義者やネオナチの支持者と反対派との間で衝突が起き、1人が死亡、数十人がけがをした。
トランプ大統領はこの騒動について、当初は人種差別である白人至上主義を明確に批判しなかったことや、発言が二転三転したことなどから、批判を浴びた。