アメリカ軍の第82空挺師団は、第二次世界大戦時に幾度もナチスドイツと戦った部隊だ。8月12日から13日にかけてアメリカ・バージニア州のシャーロッツビルで行われたデモで、同部隊の記章がついた帽子をかぶった男性が白人至上主義者KKK(クー・クラックス・クラン)式の敬礼を行っている画像が拡散され、同部隊がTwitterで関連を否定するコメントを出す騒ぎになった。
画像はオバマ政権下で住宅土地開発省の職員の経験もある起業家・コラムニストのブランドン・フリードマン氏が8月13日に投稿し、日本時間16日午前9時現在、2万回以上リツイート(拡散)されている。
ヒトラー時代のナチス式敬礼(編注:ナチス式敬礼によく似ているが、実際にはKKK式敬礼)をしている、この第82空挺師団の男の名前が「すごく」知りたい。第82空挺師団は、「D-デイ」にノルマンディーへと上陸を果たした部隊だよ。
第82空挺師団は、第二次世界大戦でヨーロッパ戦線の転機となった1944年のノルマンディー上陸作戦で決定的な役割を果たしたことで知られる。現在もアメリカ軍に存続している同部隊は、公式Twitterで迅速かつ明快にこの画像への反応を示した。
第二次世界大戦で活躍した私たちの先達は、ナチズムを打倒するためにヨーロッパへと上陸しました。私たちは自分たちが誰であり、私たちの持つ遺産は何であるかを知っています。
かぶっている帽子が第82空挺師団のものだというだけの理由で、本当にこの男性が弊部隊の現役メンバーだと思いますか? 私の母親も、この帽子を持っています。彼女は78歳で、もちろん従軍したことなどありません。
アンディさん(編注:このアカウントに質問を投げかけたTwitterユーザー)、謹んで申し上げますが、(第82空挺師団を)マルーンベレーを着用する人の中には、この人が我々の文化や価値観を代表していると考える者はおりませんし、これからもありえません。
この帽子は誰でも買えます。勇気がわきますよ。
また、あるTwitterユーザーの「この男性を知っていますか」という質問には、「わからない」と返信した。
一方で、同部隊のアカウントは「本物の第82空挺師団員」の画像を投稿した。
知っていますか?これが本物の第82空挺師団員の姿です。ロック・メリット氏は、ノルマンディー上陸作戦、オランダのナイメーヘンへの上陸作戦、バルジの戦いに参加しました。
第82空挺師団は、今でもファシストとの戦いを続けているようだ。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。