「ファッションはとても汚い産業です」
ニューヨーク中心部の5番街にある高級百貨店「サックス・フィフス・アベニュー」のショーウィンドウに、大量の"古着の山"が飾られた。高級ブランドショップや百貨店が並び、ショッピングストリートとして有名な5番街にいきなり現れた異様な光景に、注目が集まっている。
この展示は、ファッションブランドの「ヴェトモン(Vetements)」が同百貨店と提携して7月下旬に実施したもの。同ブランドの公式Instagramにはディスプレイの写真と動画も公開されている。
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ヴェトモンはInstagramで、「ファッションはとても汚い産業です。アメリカ国内で売れ残る衣服の在庫は、毎年500億ドル(約5.4兆円)分に達しています」とアパレル産業を批判。
「ファッション業界は、石油工業に次いで世界で2番目に巨大な汚染産業」と訴え、「ラグジュアリーブランドの成長の背景には"派手な消費行動"が必要だと業界では言われていますが、多くのブランドは需要よりも過剰に製品を生産し続けています」と警鐘を鳴らした。
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ファッション誌「W magazine」によると、展示された古着はサックス・フィフス・アベニューが抱えていた在庫の一部や従業員から寄付された衣類で、展示後には発達障害を持つ人たちを支援する衣類のリサイクルプログラムに寄付されるという。