内閣改造で沖縄北方担当相に就任した江崎鉄磨氏(73)が8月5日、今後の国会答弁では間違いを避けるために「役所の原稿を朗読する」などと発言した。専門家が多い野党からの質問に適切に答弁するためだとしているが、説明責任を軽んじる発言として、野党などから批判を受ける可能性がある。朝日新聞デジタルなどが報じた。
江崎氏はこの日、地元・愛知県一宮市の事務所であった支援者らによる就任祝賀会合の後に、記者団の質問に答えた。改造前の安倍内閣では、金田勝年前法相が不安定な答弁により閣僚の資質を問われるなど、閣僚の答弁が問題視されていたため、江崎氏は自身の対応方針を問われた際に「しっかりお役所の原稿を読ませていただく。立ち往生より、ちゃんと答弁書を朗読かな」などと話したという。
東京新聞によると、江崎氏は後ほど発言の本意について「自分の思いで話すと、どこかで揚げ足を取られかねない。間違えたことを言ってはいけないという意味。答弁書を自分でチェックした上で読む」と述べたという。
江崎氏は1943年、一宮生まれ。愛知10区選出で、現在6期目となる。2014年の衆院選では出馬の予定はなかったが、地元から出馬を望む声が高まり、「最後のご奉公」と立候補を決意していた。
今回の入閣については、一度は固辞。初入閣ということもあり、「73の初手習いでは…」などと辞退しようとしたところ、所属する二階派会長の二階俊博氏に「君は俺より四つも若いじゃないか」などと、叱られたという。二階氏は「なんで断るんだ! これは派閥の総意だ!」などと激怒した。
しかし、二階氏は江崎氏の父・江崎真澄元自治相ともつながりがあり、今回の人事に「江崎のせがれがやっと大臣になれた」と相好を崩したという。
江崎氏は8月3日に、就任時記者会見を行っている。このときも原稿に目を向けながら挨拶をする姿が目立ったが、「関係閣僚と連携の上、最善を尽くす」などと述べていた。
▼「政治家のあの日・あのとき・若いとき」画像集が開きます▼
【※】スライドショーが表示されない場合は、こちらへ