北海道・富良野のメロン農家「寺坂農園」が、Twitter上でメロンに除草剤を撒かれた被害を訴えている。代表の寺坂祐一さんは8月3日、ハフポスト日本版の取材に対して「こんなことをする人がいるのか」と憤りを語った。
代表の寺坂祐一さんは8月3日、枯れてしまった収穫前のメロンの写真をTwitter上に投稿。「約6600玉のメロンが全滅して収穫不能。科学的な調査の結果、メロン畑に除草剤が撒かれていたことが判明しました」と、何者かにメロンを台無しにされたことを明らかにした。さらに「悪質な行為により、お客様にもご迷惑をおかけします」と憤りを記した。
約6600玉のメロンが全滅して収穫不能。
科学的な調査の結果、
メロン畑に除草剤が撒かれて
いたことが判明しました。
悪質な犯罪行為により、お客様にもご迷惑をおかけします。
詳しくはブログに書かせていただきました。
https://t.co/eRT10EQkdYpic.twitter.com/dMZyBwthj6
— 寺坂祐一 (@furanomelon) August 3, 2017
寺坂さんは、ブログに一連の出来事を詳細につづっている。
寺坂農園では7月に入ってから、メロンハウスの換気装置の設定が狂うなどのトラブルが相次いだ。9日深夜には、ハウスの複数棟で換気装置がおかしくなったり、ブレーカーが落ちたりしていた。
異変に気づいたスタッフが必死に対応し、大事には至らなかったように思えたが、一部のメロンがしおれているのを確認した。
翌日以降、メロンのしおれ具合がひどくなっていったため、農業資材メーカーに見てもらったところ、除草剤が撒かれていることを告げられた。
一連の出来事について、「メロン農家としてこんな辛く、悲しく、そして無力感を感じる出来事は、今までありませんでした。悔しい...」と悲痛な思いをつづっている。
同園は被害を受け、威力業務妨害容疑で富良野署に被害届を出しており、現在捜査が進んでいる。また防犯対策として、監視カメラとセンサーライトを設置し、地域の農家に向けて注意、警戒を呼び掛けている。
ハフポスト日本版は8月3日、寺坂さんに話を聞いた。
−−どのような経緯で被害に気づいたのでしょうか
ビニールハウスの自動換気装置の設定がおかしくなって、室内に空気を取り入れる窓のような部分が開かなくなっていました。
初めはスタッフの操作ミスと思い、イタズラとは気付きませんでした。ところが、ブレーカーも落とされていて、不審に思いました。
翌日にはメロンが枯れ始めていき、専門家に見てもらい除草剤が撒かれていたことが分かりました。
−−どのぐらいの被害が出たのでしょうか
除草剤は、メロンハウスの全31棟中6棟で撒かれました。除草剤が撒かれたビニルハウスは、1棟丸々全滅です。
出荷を予定していた3万1000玉のうち、6600玉が出荷できなくなり、被害額は約1500万円にのぼります。
−−悪質な行為をどのように受け止めていますか
こんなことをする人がいるのかと怒りを覚えました。こうした被害がこれ以上起きないよう、広く知ってもらいたいとTwitterやブログに書きました。
防犯カメラやセンサーをつけるなど、他の農家の方にも防犯意識を広げてほしいです。
−−被害にあったビニルハウスは、今後収穫はできるのでしょうか
専門家に確認してもらったところ、土に害のない除草剤が使用されていたので、来年以降の収穫には影響はありません。
■関連画像集「『北の国から資料館』と富良野」
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