ファッション通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するスタートトゥデイ(本社・千葉県千葉市、東証一部上場)が8月1日、同社として初めて時価総額が1兆円を超えた。ファッション情報メディアの「WWD」などが報じた。
業績好調の背景には、”かゆいところに手が届く”サービスが利用者らから評価されている実態があるようだ。
「時価総額1兆円超えた」。スタートトゥデイの前澤友作社長は1日、Twitterでそう呟いた。1兆円を超えた同社の時価総額が表示されたスマホ画面のスクリーンショットも添え、「親に送ろっと」と書き込んだ。
7月31日に発表された2017年4〜6月期の決算が好調だったことから株価が上昇。
決算発表資料によると、17年度第3四半期にゾゾタウンで売られた商品全体の売上額は、前年比33%増の2,120億円。営業利益は前年比48%増の262億円であった。また、決算発表時点で、過去1年に1回以上商品を購入した「年間購入者数」は632万人を越え、過去3年間で約300万人増えている。
好調の要因について同社広報担当者は、幅広いブランドで新規出店が相次いでいることや、決済手段を増やすなどして利便性を高めたことなどを挙げる。また、既存客には以前買ったサイズを知らせる機能をつけるなどの施策も取り入れてきたという。
加えて、特徴的なのは商品現物を見ないで購入するネット通販の弱みをカバーする仕組みを充実させたことだ。
商品の紹介ページで単にモデルの試着写真を掲載するのではなく、モデル自身の身長や試着しているアイテムのサイズを明記している。
また、アイテムによってはショップが提供している公式写真に加えて、ゾゾタウンスタッフがコーディネート提案用に撮り下ろした写真も掲載されている。
いずれも、利用者が実際にアイテムを身につけた時のイメージがわきやすいように工夫したという。
こうしたコーディネート写真は、一部の利用者から"ZOZO立ち"とも呼ばれ、表情やポーズを極力排除し、洋服を着た印象をイメージしやすいとして話題にもなっている。
ゾゾタウンをよく利用するという都内の20代女性は、ハフポスト日本版の取材に対し「以前は、商品が届いてから『イメージと違った』と後悔することも多かったけど、最近は選んでいる段階で届く商品のイメージが沸くようになってきた」と話した。
以前は「1~2割」だったというゾゾタウンでの買い物比率が、最近では「4~5割に増えてきた」という。