南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加した陸上自衛隊が作成した日報が、廃棄されたとする後でも保管されていた問題について、安倍晋三首相は「引き続き徹底的に調査し、改めるべき点があれば(稲田朋美防衛)大臣の責任において改善させ、再発防止を図ることによりその責任果たしてもらいたい」と述べ、野党の罷免要求を拒否した。
7月24日の衆院予算委員会の閉会中審査で、大串博志議員(民進)の質疑に対して答えた。
大串氏は、「稲田氏がしっかり防衛省をグリップしていないことの表れではないか」と指摘。日報隠蔽問題を調査している特別防衛監察についても、「もともと大臣を対象とするものではなく、全く効果がはっきりしない」と批判した。
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続けて、8月3日に予定している内閣改造に触れ、「稲田氏を改造まで引っ張り、何事もなかったかのように他の方とともに交代させ、問題に蓋をすることがあってならない。即刻罷免すべきだ」と求めた。
これに対して安倍首相は、稲田氏を罷免しない考えを示した上で「閣僚の任命責任は、総理大臣たる私にある。閣僚に対する厳しい指摘については、私自身真摯に受け止めなければいけない」と説明。
また、特別防衛監察については「元高検検事長トップに現役の検事も所属する防衛観察本部において行なっている。独立性の高い立場からの徹底した調査によって早期に全容を解明し、説明責任を果たしていく」と語った。