タレントの壇蜜さんが出演する宮城県の観光PR動画広告「涼・宮城の夏」が、波紋を広げている。7月21日には、同県議会の女性議員7人が「女性が性の対象として表現されている部分が多い」として県に配信中止を申し入れたが、県側は配信を継続する考えを伝えた。毎日新聞などが報じた。
県議会の全女性県議7人は21日、「女性が殿に仕える設定で、固定的な性別役割分担を反映している」などとして、村井知事に配信中止を求める申し入れを行った。対応した河端章好副知事は「(動画に)問題はない。県男女共同参画推進条例の基本理念に反したとは考えていない」と強調した上で「しばらくの間このまま続けていきたい」と述べた。
(壇蜜さん動画:宮城県副知事「問題ない、しばらく続ける」 - 毎日新聞より 2017/07/22 08:50)
申し入れのあと、議員たちは記者会見を開き「いやらしい表現があり感覚がずれている」「税金で作られた動画であり、ただ再生回数が増えればいいというのは誤りだ」などと批判した。
問題となっているのは宮城県や仙台市、JR東日本などが参加する「仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会」による観光キャンペーン動画で、「仙台・宮城【伊達な旅】夏キャンペーン2017」の一環として制作された。7月5日からYouTube上にアップされ、その動画が観光キャンペーンのサイトに埋め込まれる形で公開されている。壇蜜さんが主演し、性的な連想をさせる言葉や唇のアップが挟まれ、性的表現と受け止められかねないシーンもあり物議を醸している。
「仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会」会長でもある村井嘉浩井知事は10日の定例記者会見で「見ていただかないと意味がない。宮城って涼しいんだなということは感じてもらえるので、そこからまた次につながっていくと思います。私としては賛否両論あったことが逆に成功につながっているんじゃないかと思っています」と強調した。
一方、県によると動画の再生回数はこれまでに170万回を超えているものの、市民などから約100件の意見が寄せられていて、批判が9割だという。
協議会副会長でもある仙台市の奥山恵美子市長は18日の定例記者会見で「私自身は一見した感じとして、いささか男女共同参画という視点からはやや配慮に欠ける部分があったのではないかと思います。決して女性が見て心地よいというか素直に受け止められるところだけではないという印象を持ちました」と述べた。
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