民進党の蓮舫代表が自身の戸籍謄本の一部など関係書類を公開した「二重国籍」問題をめぐり、日本維新の会法律顧問で前大阪市長の橋下徹氏が民進党参院議員の有田芳生氏にTwitte上などでかみついた。
「二重国籍」問題について、有田氏は7月14日、言論ニュースサイト「リテラ」に寄稿。民進党の複数議員がTwitterで戸籍提出に賛同する意見を表明したことを受け、「蓮舫代表に個人情報の開示を求めるのは、出自による差別を禁止している憲法第14条および、人種差別撤廃条約の趣旨に反する差別そのものである」と指摘した。
また「『部落地名総鑑事件』(1975年)の教訓から、企業が採用選考のとき、応募者に戸籍の提出や本籍地の確認を求めることが禁止されるようになった。蓮舫代表に戸籍の開示を求めることは、こうした人権擁護の歴史に真っ向から反するものだ」などと主張した。
結局、蓮舫代表は18日に記者会見を開き、日本国籍の取得直後に台湾籍を放棄したと勘違いしていたと謝罪する一方、台湾籍の放棄を証明する資料として、日本国籍の選択宣言の日付が記された戸籍謄本の一部を公開した。
これに対して、橋下氏は19日、「プレジデントオンライン」に、蓮舫代表の行動を「評価したい」とする一方、「参議院議員の有田芳生。こいつだけはほんと許せないね」などと厳しい論調で記した。
その理由として、ノンフィクションライター佐野眞一氏が書いた橋下氏の出自問題に関する記事が「週刊朝日」に掲載された2012年10月、有田氏がこの記事について「すこぶる面白い」とツイートしたことを取り上げ、「僕が猛反撃したら、よく分からん言い訳をしていた。その一方、今回の蓮舫さんの戸籍謄本開示問題では、『人権問題の歴史的逆行』になるから開示を許してはいけないなんて言っている」と反論した。
さらに「自分が嫌いな相手(僕)の出自が公になることは面白く、自分の所属する党の代表の、ちょっとした戸籍情報が開示されることはプライバシー侵害になり、人権問題にもなるから許されないと言うんだ。典型的なダブルスタンダード」と批判した。
橋下氏は19日、Twitterにも次のように投稿した。
有田氏は、この橋下氏の指摘とこの話題を取り上げた産経新聞の記事について、次のようにツイートした。
週刊朝日の当該記事をめぐっては、橋下氏が「自らの出自に関する記事で名誉を傷つけられた」として週刊朝日を発行する朝日新聞出版と佐野氏を提訴。15年2月、朝日新聞出版と佐野氏がおわび文を橋下氏に交付し、解決金を支払う内容で大阪地裁で和解が成立した。
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