トランプ氏の長男「ロシア弁護士との会合は父親には伝えていない」

伝えなかった理由は「何一つ伝えることがなかったから」。
Fox

ロシア政府と関係のある弁護士と、2016年に会合していたことが明らかになったドナルド・トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏。会合について「父親のドナルド・トランプ大統領に話していない」とニュース番組で語った。

トランプ・ジュニア氏は6月11日、FOXのニュース番組「Hannity」に出演。2016年6月9日にトランプ・タワーで行われた会合について、父親には伝えておらず、その理由は「伝えるべきことは何もなかったからだ」と話した。

同氏は、「何一つ、伝えることはありませんでした」「何を話したかを覚えていないくらいです。時間を無駄にした20分でした。残念ながら」と語った。

ロシアの弁護士との会合について語るドナルド・トランプ・ジュニア


トランプ・ジュニア氏によれば、会合は同氏の知り合いである音楽プロモーターのロブ・ゴールドストーン氏の仲介で実現した。ゴールドストーン氏が6月初めに会合を持ちかけるメールを送ってきたので、「礼儀」として会った、とトランプ・ジュニア氏は説明した。

「今となって考えると、別の方法をとることもできたのかもしれません。私にとってこれは、対戦相手についてのリサーチといったところでした」

「会議の内容は、文字通り全く思い出せません。時間を無駄にしました。知り合いや友人を時に特別扱いすることがあります」

「(選挙や政治は)私たちにとっては初めての経験ですから、全てを学んでいるところです」

「選挙中は、1時間で物事が一気に進みます。我々はインディアナ州で勝ったばかりでしたが、党大会で決選投票の可能性もありました」

「そんな時に誰かがメールが送ってきた。どんな内容なのか確かめたかった」

トランプ・ジュニア氏が、同氏とゴールドストーンの間で交わされたメールを公表したのは、ニューヨークタイムズ紙がメールの内容を発表する直前だった。

「ヒラリーにとって不利益となり、ヒラリーがロシアと関わりがわかる文書と情報をトランプ陣営に提供できる」

「あなたのお父さんにとってとても有益となるだろう」

「これは、高いレベルの機密情報で、取り扱いを十分に注意しなければいけない。ロシアの一部とロシア政府はトランプ氏をサポートしている」

といった、ロシアがトランプ陣営にとって有益な情報を持っていることを示す内容がメールには書かれている。

これに対し、トランプ・ジュニア氏は「君が言っている通りなら、素晴らしい情報だ」と返事をしている。

ニューヨークタイムズ紙によれば、トランプ・ジュニア氏は父親のドナルド・トランプ氏は共和党の大統領指名候補に選ばれた2週間後に、ロシアのナタリア・ベセルニツカヤ弁護士との会合をセッティングした。会議には、トランプ氏の選挙対策本部長ポール・マナフォート氏と、義理の息子ジャレッド・クシュナー氏も参加した。

専門家たちは「外国籍を持つ人から、対戦相手についての情報を得るのは違法」と指摘している。

選挙資金法に詳しいリック・ハセン氏は自らのブログに「これが、金銭が関係しないケースだったとは考えにくい」「トランプ・ジュニア氏は、外国からの情報がある知っていて、それを求めようとしている」と書いている

また、民主党の上院議員ティム・ケイン氏は「国家反逆罪の可能性もある」と発言した。

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