アメリカ・カリフォルニア州のディズニーランドのアトラクション『カリブの海賊』から、「花嫁オークション」のシーンがカットされることになった。女性に対する差別だとの批判が高まっていたからだという。6月29日、現地メディアのKTLAなどが報じた。
「カリブの海賊」は、17世紀の海賊の世界を、ボートに乗って見て回るという約15分間のアトラクション。ウォルト・ディズニー自身が監修した最後のアトラクションとしても有名で、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズは、このアトラクションが元になっている。
問題となった花嫁オークションのシーンは、海賊の村を再現したコーナーにある。海賊に捉えられた男女が人身売買されているが、女性たちがロープに繋がれている一角には「オークション 結婚用のネエチャン」と書かれた垂れ幕が掛けられている。なかでも赤毛の女性が、海賊たちから人気があるという設定だ。
現地メディア「オレンジ・カウンティ・レジスター」によると、もともとこのシーンは女性を追いかける海賊も表現されていたが、女性差別との批判を受け、数年前に海賊は、食料を求めて女性を追いかける内容に変更された。
ディズニー側のブログによると、このシーンは今後、お宝のオークションという内容に変更される。赤毛の女性は人気があるため、海賊を助ける役として残るという。
まずフランス・パリのディズニーランドが7月24日に、カリフォルニアとフロリダにあるディズニーランドが2018年までに改修される。日本のディズニーランドを運営するオリエンタルランドの広報担当者は、ハフポスト日本版の取材に対し、東京ディズニーランドに関しては未定だと述べた。
■「歴史を隠すのか」という批判も
この変更について、Twitterでは「これで本当の人身売買や性差別が消えるなら良い」とする意見のほか、「歴史を隠すのか」「そんなこと言ったら時代劇ものは全部だめだ 差別、迫害、犯罪のオンパレードじゃないか」などの批判も出ている。
ロックバンド「トライセラトップス」の和田唱さんは、「闇を見せるからファンタジーが引き立つ」などとツイートした。
海外からは、「そのうち、海賊は町を燃やさなくなるのではないか」などの皮肉もツイートされている。
そのうちに海賊は、町を燃やさなくなるでしょう。 代わりに木を植え、リサイクルプログラムに参加するのです
海賊は悪い人間だということを参加者に思い出させることが、アトラクションのポイントだと思うのですが…
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