6月13日に亡くなった女優の野際陽子さんと60年以上にわたって親交があった女優の黒柳徹子さんが16日、野際さんへの手紙を発表し、「あなたのいらっしゃらない、この世界は、寂しいです。本当にお友達がいなくなったようです」と悲しんだ。
黒柳さんの所属事務所からハフポスト日本版に届いた手紙の全文を、次に紹介する(オリジナルは縦書き)。
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大好きだった、そして仲良しだった野際陽子さんへ
NHKに入ったのが、およそ60年前。あなたはアナウンサー、私は放送劇団。その頃からもう気が合っていて、一緒にフランス語を習ったり、同じお洋服屋さんで、お洋服を作ってもらったり。
私は、あなたの感覚が、好きだったし、何より正直だった清らかなあなたが好きでした。
長いことFAXでやりとりしましたね、流れるように美しい字のあなたのFAXは、カタカタと静かに送られてきました。大きくてガタガタの字の私のFAXは、あなたと対照的に、恐らく、ドタドタとお宅に到着したことでしょう。
いつになったら、あなたが「やすらぎの郷」に沢山出ていらっしゃるかと、楽しみにしていました。あなたが病気で、それどころではない、なんて知らなかったのよ。一緒に芝居をやりましょうとか、よく話しあいましたね。
野際さん、胸がいっぱいで、悲しく、なんと言ったらいいのか、わかりません。転勤で名古屋でのあなたの個人アパートに泥棒が入った話は、おかしくて「徹子の部屋」だけでも、4回は、して頂きましたね。いやがらずに、よく話して下さったわね。
この2、3日は、ずっとあなたのことを考えていました。どうしてでしょうね。
そういえば「死」ぬときのことなんかも、呑気に話しあっていましたね。次に、あなたとお会いしたときに、どんなだったか話しあいましょうね。
野際さん、あなたのいらっしゃらない、この世界は、寂しいです。本当にお友達がいなくなったようです。
じゃ、今度お会いするまでね。お友達でいて下さってありがとう。
平成二十九年六月十五日
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